my lips are sealed

tamavskyのB面

尾道のZINEできました

今年も無事、本を作ることができた。

先日、文学フリマ福岡に行ってきた。いつも通り「詩合」の本を売るため。詩合詩集は完売したとのことなので、今後はこうやってみんなで地方の文学フリマに行くことも無くなっちゃうのかなぁと寂しい気持ちもある。

 

そこで初出しだった私の今年の新刊は、『Stranger in Paradise』と題した日記と写真のZINE。

 

七森環 Stranger in Pradise 書影

表紙がトレーシングペーパー。モヤのかかったような記憶、細かな雪と冬の柔らかい光、私がこの本を作る間も包まれていたなぞのぼんやり感をイメージしている。そのまま陳列すると表紙が浮いて文字が読めないのでめくった状態で陳列するしかなく、もし今後どこかに置いてもらうなら少し工夫をしなければならないなぁと思う。

内容はこの記事で書いていた通り、尾道滞在日記。

juno.hatenadiary.jp

休業中で行けなかったお店も多くガイドブックのような華やかな情報量はないけれど、街の何気ない風景や猫たち、訪れた一つ一つのお店の良さがじんわり伝わるような一冊になっていれば嬉しい。

 

今回、印刷と製本を「羽車」さんにお願いした。
ミシン糸とじの糸のカラーが選べて、紙の種類も豊富で、それを決めるところから楽しかった。納期の相談にも丁寧に乗っていただき、無事文学フリマに間に合わせることができた。本当にありがとうございました。
原価も思いの外おさえられたのでフルカラーで800円という、手に取りやすい価格にできたつもり。

 

そういえば、文学フリマといえば。去年秋の文学フリマに行った際、友達がお手伝いをしていたブースでストリップに関するエッセイをなんとなく買ってみたのだが、先日、キノコヤで本当に偶然にその著者のイワイさんに会った。キノコヤでは「実は繋がりありました〜」みたいなことが多々発生するから面白い。

 

11月の文学フリマ東京には、初めて個人として出展予定。
友人知人の本を委託販売したりもする。詳しく決まり次第Twitterで告知するので、よろしくお願いします。

蚕の夏

今年の夏は蚕を生まれてから死ぬまで飼った。

もともと蚕の飼育に興味があったのだが、ある日偶然Twitterで立川経済新聞(というローカルニュースサイト)の記事を目にした。くにたち農園の会というNPOが「お蚕フレンズプロジェクト」という催しをやっているという。

記事を見てみると、お蚕さまの受け渡しと説明会が行われるのは谷保にある古民家。谷保は自宅からアクセスが良いので、これはいい機会だと思い申し込んだ。

そういえば、かつて八王子は養蚕がとても盛んで「桑都」とも呼ばれるほどだったらしい。現在東京都内で唯一の養蚕農家も八王子にある。国立や日野のあたりも養蚕のための桑畑がたくさんあって、その名残で今もそのへんに生えているらしい。

 

7月2日、いよいよ「掃き立て」(孵化した蚕を掃き集めて、新しい飼育場所に移すこと)。料金を支払うと手渡されたのは、マヨネーズやケチャップなんかを入れるようなプラスチックのカップ。中には糸屑のような1令幼虫と、さらさら鳴る卵の殻、人工飼料の切れ端が入っている。私は10頭(蚕は家畜なので「頭」と数える)を希望したのだが、まだ孵っていない卵も観察用に分けてもらったので、カップの中の蚕は全部で12頭になった。

初日

成長するにつれ、体の色が変わってくる

数日経って、最初の脱皮。

蚕は基本的に一日中、ごはんを食べるかうんちをするかのどちらかなのだが、脱皮する前の丸一日ほどはじっとして動かない。この状態を「眠(みん)」という。

そして脱皮を終えると、またすごい勢いでごはんを食べ始める。

1週間経過。体の前半分が白っぽくなってきた

飼育に虫かごや水槽のような大掛かりなものは必要なく、適当な紙箱でよい。蚕はえさが目の前にあれば逃げることはないので、蓋もしなくてよい。

 

身体が大きくなるにつれフンのサイズも大きくなってくる。フンといっても桑が原料の餌しか食べていないので、嫌なにおいはしない。

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だんだんと体が白っぽく、もちもちとしてくる。毎日本当によく食べる。あまりの食べっぷり、見ていると満足してしまってこちらの食欲が無くなったりもした。


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芋虫たちは脱皮を繰り返してどんどん大きくなり、

 

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これが「眠」

ついに5令幼虫になった。約6〜8cm。
背中に模様がある。模様は品種によって違うらしい。


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これくらい大きくなると指でつまむことも簡単なので、ふれあいを楽しめる。
蚕の皮膚はひんやりと薄く、さらさら、すべすべしている。背中をよく見ると体液の流れのようなものが透けている。これは背脈管といって昆虫にとっての心臓のようなものだ。呼吸は、体の側面の気門からしているらしい。

5令幼虫がとにかくかわいい。もちもちとした体でのそのそ歩き回り、ごはんを食べまくり、うんちをしまくる。たまごっちみたいだ。

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腹脚は吸盤のようで、多少無理な体勢になってもしっかりと私の皮膚をつかむ。

 

5令幼虫は本当によく食べる。なんと、一生の食事の9割の量を5令幼虫のうちに食べるらしい。

それが、突然餌に見向きもしなくなり、上半身をきょろきょろさせ始める。これが上蔟(じょうぞく)、蚕を蔟(まぶし)にあげる合図。

蔟とは蚕が繭を作る専用の場所。マス目のある箱、藁を編んだもの、箒状、などなど色々な形があるらしい。

私はトイレットペーパーの芯を半分に切り、それを両面テープで組み合わせて"お蚕マンション"を作った。

蚕は上へ向かう習性があるので、上の部屋から埋まっていく。タワマンのようだ。

筒から出てうろうろしている子も根気よく小部屋に入れてやると、そのうち作り出す。

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これはあまりにも上から埋まるので、最上階を増築しはじめたところ。
蚕が何頭も上るとそこそこ重みがあるので、乾電池を重しにしていた。

繭を作る頃になると、蚕は柔らかいうんちをするようになり、体が縮んでくる。
縮んだ体を飼育箱から芯の小部屋に誘導するとき、腹脚の最後の一つがなかなか離れなくて、最後の握手をしているみたいで寂しくなった。

 

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細い糸を吐き続けて、ふと気づくと体を支えられるだけの網ができている。そしてたった一晩で繭がほぼ出来上がる。

まだ透けている繭を眺めていると、内側から上手に糸を吐いて壁を作っているのが見える。繭になってからはもう、中のことはわからない。

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ちなみに、病気になってしまい繭を作ることができなかった子もいた。体の一部が黒ずんで、ごはんを食べなくなった。糸を吐いていたので一応小部屋に入れてみたが、繭を作る力は残されていなかった。黒ずみが全身を覆うころには動かなくなった。

 

絹糸を採取するには、ここで繭を茹でるそう。中の蛹はもちろん死んでしまう。
私は愛玩昆虫として羽化させることにしたので、そのまま置いておく。

右が毛羽とりをした繭

繭になってちょうど2週間ほどで、羽化した蚕が出てくる。

出てきていない繭は端っこを少し切り取って開けてみた。

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蛹はこんな感じ。固くて動かないイメージがあるが、実際は少しつつくと「うにょ」と動く。

 

繭になって2週間ほどで羽化する。

ふかふか


オスとメスがいればすぐにカップルが成立する。お腹が大きい方がメスだ。

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交尾をすると自分で離れられないので、人間の手で外してやらないといけない。これを「割愛」というらしい。本当にそう言うらしい。

 

なかなか羽化しない繭が心配になり、一部を切り取って開けてみたらかわいい顔が出てきた。こんにちは。

Hello World

蛹から出たものの繭が固くてなかなか出てこられず、中で転がってしまい、羽が縮れたまま乾いてしまったらしい。
でも蚕は成虫になっても飛べないので問題ない。お腹が大きすぎるから。

茶色いのは蛾尿。羽化したあとや交尾後のメスは水分をぴゅーっと排出する。なぜか赤橙色をしている。

 

 

そもそもうまく蛹になれなかった子もいた。繭を開けると、幼虫と蛹の真ん中のような姿で黒くなって死んでいた。

 

交尾したメスはたくさんの卵を産む。200〜300個と言われているらしいが、数えてはいない。

キッチンペーパーの模様に沿って産み付けていた。この卵はひとまず、冷蔵保存中。

オスはメスのフェロモンに反応して大暴れしてしまうので、飼育箱を分けておく。

成虫はごはんを食べず、排泄もしない。毎日観察はするけれど特にお世話することもないので、一気に手がかからなくなり拍子抜けする。

そして2週間ほど経つとオスが3頭立て続けに動かなくなった。ついにお別れが始まった。今年の夏の様々の場面が走馬灯のように思い出される。

いもむしの頃は「こんなに可愛らしい生き物が死んでしまうのは相当悲しいだろうな」と漠然と思っていたが、繭になれなかった子、繭の中で死んでしまった子などを見てきて、成虫の姿になれただけでも奇跡だし、尊い存在なのだとわかった。いつの間にか、彼らが順番に天に召されていくのはとても自然なことのように感じられた。

 

オスとメスがそれぞれ最後の1頭になった日、家にある造花やドライフラワーに登らせて写真を撮った。蚕は桑しか食べないし、飛ぶことができないので、お花とは縁がない。でも、もふもふ・ふかふかの体は妖精のようでお花によく似合う。まるで遺影みたいだなぁと思った。翌日にはメスがまさに虫の息となっており、撮っておいてよかったと思った。

 

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9月2日、我が家に来てちょうど2ヶ月になる日に、最後のオスが生涯を閉じた。これでこの夏の蚕の飼育は終了した。

 

 

次の夏に蚕を飼ってみたいと思う方へ

・蚕を飼っている間は当たり前だが殺虫剤が使えないので注意。蚊取り線香もNG。小蝿はお酢や醤油に洗剤を溶かしたトラップ、ゴキブリは台所用洗剤をかけて駆除すると良いです。

・蚕が小さいうちは高温の方がよいが、大きくなるとフンが増えるので高温多湿だと病気が発生しやすいとのこと。もし病気のお蚕がいたらすぐ隔離する。

・我が家はウパを飼っており水温が上がらないように常に冷房がついているので、生き物の飼育にはとても都合の良い環境。蚕の飼育は適温が27度程度で、34度を超えると死んでしまう確率が高まるそうなので、節電志向のおうちは注意。

・とてもかわいい。毎日大きくなるので毎日感動がある。ぜひ飼ってみて。

ヤギはどこへ

最近また体調が不安定なので今日は久しぶりに湯船に浸かる。浸かりながら書く。

 

柴田聡子さんのニューアルバム『ぼちぼち銀河』、予想をしっかり飛び越えてくる傑作だった。これまで以上に歌詞とメロディとリズムのあわいの妙が光っている。「ジャケット」2番Aメロの手拍子、へんなリズムなのにすっかり叩けるようになった(歌詞のアクセントの気持ち良いところで叩くとしっくりくるのだ)。「旅行」を聴きながらみんなは誰と誰を思い浮かべるか聞いてみたい。柴田さんとそのお友達、自分とそのお友達、鈴木さんと佐伯さん、いろいろあると思うけど私はなんだかAマッソの加納さん村上さんが浮かんだりする。「恐くなったらくっついて名前呼び合おう」とかね。既視感がある。

「ぼちぼち銀河」はKIRINJI「エイリアンズ」を引き合いにだしたくなるな。後者は地球上のありふれた風景を詩情たっぶりに描写し、そこにいて愛し合うおそらく人間ふたりを「僕らはエイリアンズ」というのだけれど、「ぼちぼち銀河」の背景は壮大なSFセットだ。そして切ない別れの詩だよねこれは。心の距離だけじゃなくて年月の距離もあるみたい。さみしい星か、それにひっついた微生物が歌ってるみたい。「ゴールデンレコード」が歌詞に出てくるから宇宙をひとりどこまで進んでいくボイジャーが念頭にあるのはもちろん、月の裏側に放置されてしまった探査機のこととか、そういう宇宙レベルの孤独の歌なんだけど、宇宙レベルだからこそ「ぼちぼち行こうかねーっ」くらいが妥当な心持ちなのかもしれない。Space Oddityでも、宇宙にひとりぼっちになったトム少佐は "Planet Earth is blue and there's nothing I can do"って言うだけ……。

 

5月29日は文学フリマだったけれど行けなかった。というのも友達が同日の東京競馬場のチケットを手に入れてくれたのだ。そう、ダービーの日に!

友達は当日体調が優れず結局私一人で行ったのだけれど、やっぱり生で見るお馬は格別。かっこよかった。私が肩車できるくらい小さい頃、父親に連れられて中山競馬場へ行ったことがあるのだけれど、その頃の記憶が蘇った。あのみんなの声援が飛び交う瞬間、熱気に溢れた競馬場、楽しいな。若い人も随分たくさんいた。

パドックもしっかり見られたおかげで馬券を買ったレースは全て何かしらが的中。合計4800円が19010円になって返ってきた。おしりがプリッとして毛並みがツヤツヤの馬はやっぱり強い。

というわけで収支は大幅プラスで大満足なわけだけれど、文フリで買いたかった本もたくさんあった……。どんどん活気が戻ってきている気がするので、秋は必ず出店したい。本を作りたい!作らなければ!

いつかは共同制作もしてみたいので、私のことが気になっていて本を作りたい人は、声をかけてください。

 

5/29は友達の誕生日でもあるんだけど今年まだプレゼントを送っていない。頭を悩ませ中。

 

そういえばgoatというブログサービスが今日で終了する。縦書きにできるブログサービスがほかになかなかないので短歌の置き場所に重宝していたのだけれど、どうしたものか。ひとまずデータのエクスポートは済んだが、今後どうするかは全くの未定。

プリンまゆげ

更新してなかった間に起きたこと。

 

3/12・13

楽器を買った。ウクレレに続き、電子ピアノを。毎日弾くわけではないけれどときどき思い出したように触る。ピアノを習っていたのはもう10年以上前だけれど、発表会で弾いたような曲はたどたどしくも楽譜をなぞることができた。エリーゼのために、花の歌、子犬のワルツ。たとえば記憶を無くしても弾けるのかもしれない(ピアノマン、懐かしいな……どうなったんだろう)。思ったより下手になっている気がするが、専用の椅子を買わなかったので立って弾いているのがよくないのかもしれない。楽譜を実家から持ってきて、ブルグミュラーの「乗馬」が弾けるようになった。

記憶といえば、『海馬を求めて潜水を』を読み始めた。記憶の糸を紡ぐような、とでも言おうか、想像力をかきたてる美文が満載なので、酒に酔った状態だったり、眠気でぼんやりしている時に読むのに最適だ。思考がニューロンをたどって旅に出てしまう。頭に入っているかどうかはよくわからないのだけれど心地よい。

 

下北沢でやっていたPodcast Weekendに行ってゆる言語学ラジオの人気に震えたり、月日で『あさみボンゴレ』を買ったり、reloadでの植本一子さんの写真展に行って、写真集にサインをいただいたりした。あの日はいい日だった。上着がいらないほどあたたかくて、卒業式後らしい袴姿の女の子たちが写真を撮る場所を探していたので、撮りましょうか?と声をかけたらとても喜んでかわいいポーズをとっていた。

 

4/3

ハク亜キッズのスタジオ予定を立てる時に、この日は夜ライブいくから楽器はレンタルしたいなー、と私も小出も言った日があって、聞いてみたらやっぱり同じ、家主のライブだった。なんかいい意味でふつうで、いつまでもあれくらいの温度感でバンドをやっていたいと思った。小出とお連れ合いさまとその友達と私で居酒屋に行った。居酒屋が久しぶりで必要以上にわくわくした。嬉しかった。

 

3/26

友達たちがうちへ遊びにきた。4人。

みんなでお惣菜やお菓子を持ち寄って食べた。友達が持ってきたちいかわカルタで遊んだ。「ル」がチートすぎて笑ってしまった。

うちにあるニャーメンズで遊んだ。ルール説明が面倒なのでまずオモコロチャンネルのニャーメンズ回を見てもらった。3回目のプレイでぎりぎりのところで修理が失敗し、いや、アサシンはいない!ウチらはきっと全員ニャーメンズ!という機運が高まり、全員で場の真ん中を指し、役割のカードをめくるとみんなニャーメンズであった。あまりの感動。自然に口をついて出た言葉は他でもない、「We are……ニャーメンズ!」


4/14
通院。病院が府中から吉祥寺へ変わった。といっても自分の主治医が分院に異動?になっただけ。季節の変わり目に加えて仕事も忙しくなって少し不安定だったのでそれを伝えたら、通院を2ヶ月に1回にしましょうの話が一旦振り出しに戻った。バイト頑張ってたから業務委託にしてくれて〜と主治医に話したら一緒に喜んでくれたし褒めてくれた。ありがたい。(この約1週間後に物凄い鬱が来た)

 

4/16

柴田聡子inFIREめあてで、CRAFT ROCK FESへ行った。会場が立川で、家から近くてとても楽だった。Instagramを見ていたら高校の同級生のKくんも来ていることがわかったが、彼が誰かと一緒だったらすまないなぁという気分と、なんとなく自分も一人でいたい気分があり、わたしもいるよ〜、何見るの〜、くらいのメッセージのやりとりに終始した。

柴田聡子inFIREはやっぱりサイコーで、こんな晴れた日にビールで酔っ払って聴けるなんて……と幸せいっぱい、「旅行」を聴きながら少し泣く。アルバムもツアー(つっても東京しかチケット取っていないけれど)も楽しみだ。私たちはそんなことだけで生きていけるのだ。

 

4/17

美容室へ行って、伸びた根元までまたブリーチをした。前髪を思い切って短くしてみた。担当の美容師さんが前髪を短くしていてそれが可愛かったのでなんとなく頼んでみたのだが、意外と似合っている気がする。職場でも何人かが褒めてくれた。多分眉毛を脱色したのも良かったんだと思う。普通眉毛の脱色って、体毛用の脱色剤を使うらしい。私は普通に毛髪用のブリーチ剤を眉毛に……塗っていた……。10分くらいで完璧に眉毛が金色になった。眉毛が金色だと何も生えていないみたいで、ノーメイクの顔の人相が変わった。鏡の中に知らなかった自分の顔がある。まだ慣れない。

眉毛がプリンになっている状態を早く見てみたい。見たことのないものが見たい。

 

近況

わかりやすく燃え尽き症候群で久々の更新。

ところで2月頭はコロナに罹ってしまい散々だった。軽症も軽症で、2~3日の間高熱が出たのはかなり辛かったけれども肺炎になることもなく、10日間家に閉じ込められているほうが精神的にきつかった。幸い家で出来る仕事がほとんどなので、熱と頭痛がおさまってからの約1週間は在宅で仕事をしていた。同居人Aちゃんは(発熱前日まで同じ家で一緒にご飯食べたのに)幸運にも陰性で、でも私のいる家に帰ると再び感染リスクにさらされてしまうので職場で生活していたらしい。

療養中、とにかく甘いものやジャンクなものが食べたくて仕方なくなるので、今後罹って自宅やホテルで療養することになった際には参考にしてほしい。絶対にお菓子が必要。あと、あとから喉の痛みがやってくるという症状の人が多いようなのだが、同じ味ののど飴が続くとかなり飽きるので、フルーツのど飴みたいな、色んな味が入っているのを買うのがよいと思う。

 

先日職場で面談をして、来年度からはアルバイトではなく業務委託契約ということになった。お給料を時給で支払われていたのが月給制にしてもらえることになったので、2月や5月、年末年始など、営業日の少ない月に焦らなくてもよくなるのはありがたい。ひとまずまた1年は会社員をやらないということなので、ライターや校正といった、以前から興味のある副業をちまちまとやっていこうと思う。

校正の通信講座は思ったより滞ってしまっているが、第7月がもうすぐおわって、次で最後の月。今は横組の校正を学んでいるのだけれど、そういえば最近はあまり横組の本を目にすることがなく、引き合わせ実習をしながら目の運び方に慣れていないのを感じる。

 

友達のバンドのMVを今作っている。Premiere Rushで最初は作っていたのだが結局もっといろいろなことをしたくなって、Proを導入してしまった。もったいないから色々動画も作っていきたい。というわけで動画編集のお手伝いなんかも、ご依頼お待ちしています。

 

尾道にいる

あけましておめでとうございます。2022年最初の更新はなんと広島は尾道から。

ライターズインレジデンス尾道という、千光寺のふもとのゲストハウス「みはらし亭」に格安で泊まれる企画。Webライターからフォークシンガーまで色々な人が来ている。できれば数週間泊まりたかったが、仕事の時間を減らすということは来月の私が経済的に困窮するということなので、ほどほどにしておいた。が、ちまちまと作業依頼に応えていたら今週月~水、昼過ぎまでは仕事の予定になってしまった。

とはいえ、広島県にはマンボウが出ているからほとんどのお店が開いておらず、仕事が休みでもそれほどすることがない。いや、本当はもっと勉強したり本を読んだり詩や短歌を詠んだりしたいのだけれど。まあそれでも、東京で忙しく働く日々に比べればなんてゆるやかで自由な生活だろう。

茶店めぐりができなかったのが本当に残念だし、大久野島(毒ガス工場があった、現うさぎの島)にも行けなくなってしまったけれど、それなりに楽しく過ごしている。もっと街の人や参加者と交流したい気持ちがあるものの、わりと皆プライベートを大切にしている感じなので、ニャーメンズ(ボードゲーム)を持ってきた私がアホのパリピに感じられている。私は私のことばかり考えている根暗のくせになぜか外向的で、本当はいつも人と話したくて、人と遊びたくてたまらない。自意識過剰の寂しがり屋なんだと思う。

で、それが旅先でこじれているのかこの1週間毎日酒を飲んでいてさすがにちょっとやばいなぁと思い始めた。そもそも強くないので飲みすぎることもないのだが、夜になるとどうしようもなく物足りない気持ちになって酒を飲み始めてしまう。物足りない、というのが寂しさなのか不満なのか怒りなのか、よくわからないけれどとにかく酒を飲んで酔っていればなんとかなる……。

尾道滞在中は毎日欠かさず日記を書いている。ここで公開しないのは言ってしまえば、今年作る本のネタにしたいからだ。しかし、思うように店に入れず、観光もあまりできず、街の活気がいまいち感じられない中で本を作るのは少し苦しいものがある。そういった心もとなさを打ち消すためなのか、毎日とにかく歩き、石段を登り(運動不足にはかなりつらい)、たくさん写真を撮っている。

東京に戻っても郊外に住んでいるので、それほど利便性のない日々が続く。それを考えるとこの街に住んでもよいような気がしてくるけれど、実は家の近くの川が恋しかったりもする。海もいいけれど川もいいぞ。水辺は常にそこにあるものを写していて、流れたり波立ったりして動いているから、見失いがちな生きている感覚や時間の流れを取り戻すことができる。多摩に住んで1年、私の中に川が流れていると気づくことができた。

ことおわ

 

最近全くブログを書く時間がなかったし、今もかなり、書いている場合ではないのだが、年を越す前に色々と書いておきたくなってしまった。

 

12月といえば私の誕生日。伊香保に一泊した。近場の温泉ならどこでもよかった。初めて訪れたのだけれど、人もまばらで石段街ですらお店がほとんどやっていなかった。草津のようないかにも観光地然とした温泉街をイメージしていたのでちょっと驚いた。歩けども歩けども、ちくしょう廃墟ばかりではないか。少し路地に入ればすぐ、つげ義春の貧困旅行記的な雰囲気の街並みが現れる。

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源泉近くまで散策してゆくと川が温泉の成分(酸化鉄)で黄金色になっていて、壮観だった。

あと、全然関係ないのだけれど、少し離れたところに金ピカのダウンコートを着ているおじさんがいて何者なのか気になった。常に2〜3人の付き人をはべらせ、着物を着ているようだったので、演歌歌手か何かだろうかと推測。

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泊まった旅館は「ぴのん」という洋風旅館で、松本楼の姉妹館なのでどちらのお風呂にも入れてお得だった。私は(人のいる)大浴場があまり好きではないので、寂れていて……というと切ないが、空いていて助かった。ゆっくり温泉だけを楽しみたい人には穴場なのかもしれない。アクセスも良いし(八王子から直通の高速バスが出ていてとても楽だった)。

旅館はごはんが美味しいというレビューが多くて楽しみにしていた。カジュアルな和風コースで、どの料理も評判どおりだった。

夜、喫煙所で一服していて空を見上げると満点の星だった。あんな星空は久しぶりに見た。目が慣れてくるにつれ小さな星たちも見えるようになり感動がパワーアップし続けた。

二日目は伊香保グリーン牧場へ行った。道中のバスに財布を忘れて完全にテンションが下がったのだが、うさぎに癒され、羊に振り回されるなどして元気を取り戻した。

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羊は、団体行動のあとに放置されるとすぐにぐでぐで〜っと座り込むので、中学生みたいで面白い。牧羊犬のショーはわんちゃんたちがとてもかっこよくて感動したのだが、優しい性格の牧羊犬ティリーちゃんにだけ妙に反抗的になる羊がいて、やっぱり中学生みたいで笑ってしまった。

 

誕生日プレゼントに図書カード1万円分を‪貰ったので、最近は角川の新字源(漢字辞典)、ダニエル・L・エヴェレット『ピダハン』、大西寿男『校正のこころ』を買った。あと文庫1冊くらいなら買えそうだ。

クリスマスには、着る毛布をもらった。あまりにも家の中で寒い寒いと連発しているからだろうか。

 

今月、副業のバイトの労働時間が100hを超えていた。衝撃。会社員時代のマックスの残業時間も優に超えている。やはりこれくらい余分に働くと人は生活が破綻するのだと思った。もうしばらくこんなに働くことはないだろう。というか働きたくない。

 

2021年はなんだかよくわからなかった。嫌なことばかり起きたように思う。でも、最後のほうで楽しいことが少し起こったからなんとか頑張れている。

 

最近は、家主の新しいアルバムばかり聴いている。「それだけ」から「老年の幻想」への流れが好きで、仕事帰りにエネルギーチャージという感じでよくそこを再生して、そのままアルバムをまるごとリピートしていく。好きすぎる。来年の4月のライブチケットをとったので、それまで期待を膨らませていたい。

 

来年の目標は節約。少ない収入でも生きていけるようになることが一番生活を楽にすると気づいた。心身ともに強くない人がまず身につけるべきは節約術だと思う。

 

さて、本年は大変お世話になりました。

来年もどうぞよろしくお願いいたします。