my lips are sealed

tamavskyのB面

blue is the warmest color

6月も後半に差し掛かっている。梅雨明けの発表はないがここのところ晴れて暑い日が多い。
読者の皆様は恙無くお過ごしでしょうか。

前回の記事は休職して数日後の心境の吐露で、わざわざ人に読んでもらおうと書いたものではない(そもそもこのブログ自体が人に読んでもらうために開設したものではない)ため、陰鬱だし、焦燥感が滲み出ていて、精神的に不安定な状態にある人が読んでしまったら悪い影響を与えてしまったかもしれない。そのことを明記しなかったのはTwitterでシェアするにあたって少々配慮が足りなかったと反省している。

ただ、改めてこんな心境でいたことをSNSで公開したことで、また声をかけてくださるフォロワーや友人がいたことには本当に感謝してもしきれない。

 

そして今回の記事も残念ながら、精神的にひどく不安定だった時期の話を多分に含む。また、人によっては不快に感じる表現を含むことを注意喚起しておく。

ただし、暗い話ばかりではなく、快方へ向かっていると感じたことについても少し書いている。
ご心配や励ましの言葉をかけてくださった方は特に、余裕があれば読んでみていただきたい。少しずつ前に進んでいるところは見せたい、と思う。

 

この記事は休職についてというよりも、適応障害の治療の経過の話になる。
実はこのところ人事部から休職の経緯について面談を持ちかけられており、そちらの話のほうがいわゆる休職エントリらしい内容になると思う。面談の前になるか後になるかはわからないが、この件については次回改めて書いていく。

 

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前回の更新のころは、なんとか睡眠リズムを整えようとしていたため、睡眠導入剤マイスリー)を飲んでいたのだがどうもその入眠時に中途半端に起きていたりすると訳のわからないことをやるらしい。
目の焦点が合わず半分夢を見ているような状態でSNSをさわっていたら支離滅裂な文言を投稿していて、友人に心配されてしまった。

しばらくして不眠は改善に向かい、薬なしでも寝付けるようになった。

 

しかしながら抗うつ剤SSRI)の効きが悪い。
ゆるやかに効果が出るとのことだったが、相変わらず気分が落ち込んで何も出来ない日は多かった。

5月の終わり頃、あまりにもひどい抑鬱感で、久しぶりに本気で死のうと思った。
経験したことのある方はお分かりいただけると思うが、原因が一つもない悲しみと苦しみが突如襲ってくるのである。身体のどこも痛くない。お腹も空いていない。眠いわけでもない。何かを失ったり、他人に傷つけられたわけでもない。それでもとにかく「悲しい」「苦しい」としか表現できない感情で頭がいっぱいになってしまい、こんなことならこの壊れた脳味噌をグチャグチャに破壊してしまいたいとか、首を括ってこの苦しい呼吸を止めてしまいたいとか、そんな物騒なことを考える。

最初は、身体は萎えきって動かないので、行動には移せない。気を散らすために唸り声や呻き声をあげながら、それにすら疲れて寝てしまうまで、じっとしているしかない。

そこから起きて動けるようになればなるでロクなことはしない。ドアノブで首を吊ろうとしたら当たり前だがびっくりするくらい苦しくて笑ってしまった。ドアノブが壊れるかと思った。痛いのも苦しいのも辛いから嫌だと思ったが、同じくらい生きているのが辛かった。

その夜は親しい友人の企画イベントがあって、せめてそれを観てから死ねば、と足を運んだ。人に会うのは怖かったが、仲の良い人間と話せば気分もマシになるかと思った。

最寄り駅まで歩きながら突然トラックに轢かれないだろうかと思った。駅はホームドアがついていて線路におりられなかった。なんだ、と思って顔を上げたら駅員と目があってパニックになりかけた。この頃から抗不安薬ワイパックスが効かないのでより効果の強いレキソタンに変わっていた。

会場に途中から入り、椅子に座ってできるだけぼんやりと眺めるうちに、心臓が冷たくなっていく感じがまた来た。でも帰らなかった。本当に良い音楽を作る大好きな友達の弾き語りを聴きたかったので最後までじっと椅子に座っていた。その時の私はそれはそれはひどい顔をしていたと思う。
結果的に彼女の演奏は私の心境を大いに変えるに至り、穏やかな気持ちで家へ帰った。翌日以降も、しばらく調子は良かった、と思う。

 

ところで私は待ち合わせというものが非常に苦手になった時期があった。
決まった時間に決まった場所へ向かうだけで極度に緊張し、動悸と眩暈に襲われてしまう。

しかしこれには有効な克服法を見つけることができた。映画である。
映画は決まった時間、決まった場所。けれども一人で行けるし、間に合わなければ別の時間の別の映画を観ればいい。
ここしばらく週に1本以上は映画を観ている。

このおかげで最近は待ち合わせというだけで緊張することが減ってきた。常備しているレキソタンがしっかり効いてくれる安心感も大きいが。

 

5月最後の診察で医師にSSRIの効果が感じられないことを伝えると、比較的効きが早いということでいわゆる三環系抗うつ薬アモキサンを処方された。
飲み始めの2日間は何もやる気が起きず寝たきり、しかしその後突然やる気と元気が漲り、部屋の掃除と風呂の掃除と洗濯を1日で済ませてしまった。(ちなみに翌日は全身が筋肉痛になった)

ちなみにこの日、友人からウーパールーパーの子供を譲ってもらった。餌やりや水換えがルーティンとなっているし、可愛らしい姿や動きに癒されている。

アモキサンの効果は、低気圧の影響もあってはっきりと効果を実感した! とは正直言えない。元気いっぱいな日と寝たきりの日の差が大きかった。
しかも不眠が復活してしまったので今週末の診察では睡眠薬が変更される可能性が高い。

現在の主治医はわりあい簡単に強い薬を出す。せっかく休職しているのだからとにかく症状の緩和を優先してくれているのだろうとは思う。

そして今週末は6月最後の受診となるので、おそらく、来月分の休職のための診断書を出してもらうのだろう。社会がどんどん遠くなっていく。

みんな、優しいのだ。「焦らないで」「ゆっくり」と言う。私は一生焦らずゆっくりしていなければならないかもしれないとすら感じる。
実は、私の精神の不調は正直なところ仕事だけのストレスではないと思っている。記憶のある限りでは小学生の頃から情緒が不安定だった。病院に行ったことはなかったが、苦しさの程度は、決して低かった訳ではなかったと思う。思う、というのは、あまり深く思い出そうとすると頭が真っ白になるからだ。

今の状態は、なんだかこう、箍がはずれてしまったような感覚がしている。レールを外れたトロッコ。誰も轢くことはなく、勝手にそのへんを転がっていて、やがて朽ちていく。

 

そういえば髪色をブルーにした。

引きこもらないように、また気分転換としてのつもりである。私は元々外見のコンプレックスの裏返しで過剰な装飾や極端な装いを好むので、今の自分はとても自分らしいと思う。

休みを利用して好き勝手遊んでいるようにしか見えないなら、それで構わない。

 

このあいだ友達とラーメンを食べて中央線で帰ろうとしたらホームドアがなく、向こうからやって来る電車の正面ライトがスローモーションに見えた。吸い込まれそうだった。頭が真っ白になっているうちに目の前に銀色の箱が横切って、止まって、ドアが開いていた。
どんなに楽しい気分の日でもこんなことを考えてしまうのかと恐ろしくなった。ホームドアのない駅で一人でいるときは、ベンチに座るか、自動販売機を探す、ということにしている。

鉄道会社さん、ホームドアはつけたほうがいいですよ。

 

飼い始めたウーパールーパーは本当にかわいい。
ドロシーとゾーイという名前をつけた。

https://www.instagram.com/dorothy_zowie

この子達のためにしっかりしなければと、ごくごく自然に、そしておどろくほど強く思った。

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