my lips are sealed

書きたいときに書く

#いいねで影響を受けたアーティストについて自分が語りたいだけ

 

このツイートに14いいね(11月7日時点)がついたので14個分、
私が影響を受けたアーティストについて書きます。

 

 

1. Weezer

おそらく、私が物心ついてから初めてこのバンドの曲が好きだ、と認識したのがWeezerだと思う。それもあって彼らの音楽のポップさ、ナードっぽさ、まああとはギターの存在感なんかも、自分が気に入る音楽にしても作る音楽にしても重要な指標として染み付いていると感じる。

 

2. David Bowie

母親がDavid Bowieの大ファンで、幼少期からその名も知らないうちから聴いて育った。
様々な音楽を自主的に聴くようになりロックの歴史を学んでいくうちにその名を知り、その麗しい姿と美しい旋律に惚れ込んでいくことになる。
彼の没後に開催された回顧展"David Bowie is"で彼の言葉や衣装の展示を観て、彼の表現についてのアティチュードに非常に共感を覚えた。

twitter.com

こんなbotがあるので特に共感を覚えた言葉を引用しておく。

僕は小さい頃、本当に内気だった。そんな自分が人前で歌うことなんてできないと思った。だからこそ、僕は変装することにしたんだ。

僕は、僕の心の中にある何か…アイディアやフィーリングを表現する為に、単に音楽を使ってるに過ぎない。さらに僕は、音楽を何か神聖なものとして捉えてるわけでは無くて、音楽をオモチャにして楽しく遊ばなければ、退屈で気が狂ってしまうと思っている。

僕にとっての作曲とは、他のどんな方法でも表現できない事を表現するための独自の方法だった。

私も、別に自分の表現手段として音楽だけを選択したわけではない。それが適切であるとか、それが面白いだろうと思ったときにはその手段を取るけれども、そうでなければ別の手段を取るまでだし、純粋な自分を曝け出して音楽をやろうとも思わない。彼がジギーを演じたように私も誰かを演じている。
例えばハク亜キッズではポップさにかまけて可愛らしく奔放に歌うベースボーカルの女性を演じているし、so it goesではエモーショナルロックやガレージロックが好きなボーイッシュな(というか、男の子に憧れている)女の子を演じていて、それぞれライブハウスに立つときのファッションや立ち振る舞いを変えるようにしている。自然と変わってくるような気もする。
芝居をする必要があれば俳優となり、絵を描かなければいけないと思えば絵を描く。文章を書く必要があれば、詩歌を詠む必要があれば……そうなる。

こうして改めて考えてみると影響を受けたというよりは、強い共感を抱いているアーティストなのかもしれない。
彼の音楽を聴くたびに、彼の死が本当に悲しくなる。寂しくなる。けれども、私もいつか黒い星になれる、火星に帰って行けるのだと思えば怖くないような気もする。

これは余談だが、私の飼っているメキシコサンショウウオの1匹にはZowieという名前を付けた。言わずもがな彼の息子の幼名からとった。Ziggyと迷って、呼び易いほうのZowieにした。そのサンショウウオアルビノで、立派なエラを持っている。その奇抜で美しい姿から彼を連想して、貰ってきたその日に名前を決めた。今ではかなりの大物に、そして美しい個体に成長している。

 

3. スピッツ

これまた幼少期から親しんだバンドである。

影響を受けた部分といえば歌詞の韻の踏み方。
草野マサムネの歌詞は母音だけでなく子音までもなめらかに口ずさめるよう緻密に構成されていると思っているのだが、それをきっと無意識的に行なっている部分もあるのだと思うとその才能に慄かざるを得ない。
私も歌詞を書くときは、同じメロディに詞をつけるときに自然に韻を踏むことが多いし、そうでない歌を聴くと「自分には書けないな」と思うし、それはスピッツを聴いて育ってしまったからかもしれないなあ、と思う。

ベースの存在感については影響を受けたとはまだ言えない。憧れの域を出ていない。初めて生で田村さんのプレイを観た時、私はベースをやっていて本当に良かった、と心から思った。この楽器はこんなにも格好良いのだと改めて教えてくれた偉大なベーシストだ。

 

4. COALTAR OF THE DEEPERS

高校生の頃に友人に教えてもらってからじわじわと効き始め愛を深めていったバンドである。
他のバンドにはないコード感、シューゲイズとは一線を画すハードさに撃ち抜かれた。
彼が多用する5度抜き7thコードはかつて細々とやっていたバンドでかなりパクらせていただいたので影響を受けたアーティストとしておく。
いやこのバンドはどっちかというとBP.とMoonwalkのワナビーだったな。かたくなに英語の歌詞だったし。ひっくるめさせてください。
そういえばかつて所属していたバンドもCOTDフォロワーだったから加入したのだった。そのバンドでベースを弾いていたおかげで色々な場所へ行けて、友達も増えたので、そういう意味でもCOTDを好きでよかったと思っている。BP.とは共演もできたし……(活動休止?解散?しちゃったし、それはもう一生の思い出)。

 

5. VELTPUNCH

都内のライブはだいたい行っているくらいには好きな日本のバンド。
オルタナティブロックからの強い影響とキャッチーさが同居するサウンド、ライブの楽しさ、さらにグッズのかわいさ、本当になんて理想的なバンドなんだろう!
so it goesの音楽はわりとそういう感じで(もうちょっと暗くしたいけど)作っていきたいなーなんて思っている。

 

6. 村上春樹

ここまで音楽が続いたので次は文学で。
なんだかんだで影響を受けているのは彼なのかなあと思う。自分の書く文章というよりは、ライフスタイルや考え方の点で。
大学で近現代の日本文学を専攻していたので教材としても彼の作品は通らざるを得ず、阪神淡路大震災以後のデタッチメントからコミットメントへという意識の変化やそれによる改稿のことを知って、ああ小説とはただのストーリーではなく、作者の魂が宿り変化し続けるものなのだなと、入学当初ただの”読書好き”であった自分が文学を研究対象として捉える良い準備段階になったように思う。

また幅広いジャンルの音楽や映画を愛し、(たしか)猫を飼っているところなんかも、ああ、いいなあ、そうやって生活したいなあと。憧れの文化人だ。

エルサレム賞での「卵と壁」のスピーチも印象に残っている。ネットで全文読めるので検索してください。

 

7. ルネ・マグリット

私は表現の際に何を伝えるかより「どのように伝えるか」を考える形式主義的なところがあるので、イズムの時代の美術はどれも面白いと思う。

中学生ごろから奇妙なものが好きだったので、見事シュルレアリスムにハマり、その中でも特に好んだのがマグリットの絵だった。
単純に絵が好きだったのだが、大学生の頃ちょうどやっていた企画展へ行って文献の引用を読んで意識が変わった。彼は現実における物質と意味・記号について、様々な思考を重ねてあのような作品を作り上げているのだと知って「なんて面白いアーティストなんだ!」とそこでようやく理解に近づけた気がした。

写真が、映画が現れ、絵画が記録としての存在意義を問われたその時に生まれた無意味性、記号の脆弱性、語り手によるミスリード……そういう絵画作品の面白さにはいつまでも惹かれる。

で、どう影響されたかといえば、私は小説も絵も夢の中で起こったことを書いていることが往々にしてあって、夢の世界での非合理性をなんとかそのまま持ち込めないかと結構頑張る。そのときに彼の実験的な作品たちを思い出す。そんなところである。

 

(やっと半分かよ!14って結構ある!だんだん手短になっていくのは許してほしい)

 

8. 岡野大嗣

現代歌人で一番好きなのは彼かもしれない。
生活の中で感じる季節だったり、ふとした仕草で思い起こされることだったり、
自分の目で見て、自分の肌で感じて頭の中で起こった小爆発を短歌の形にするというところ、私が詠むものと近いように思う。好きで影響を受けた、というより、読んでいていちばん自然に思ったのでそのかたちに自ずと寄り添っていくような、そういう影響の受け方だと思う。

私の短歌は主観的に、卑近になりすぎるきらいがあると自覚しているので、もう少し高いところから広い範囲をみなくっちゃ、とも思うけれど、ひとりごとのような岡野さんの短歌に触れると、それでも光るものはあるよな、と勇気づけられたりする。

最近出た歌集『たやすみなさい』も本当に素晴らしいです、皆さん買いましょう。

 

9. ポール・オースター

私は偶然を好む。衝動的で空想家である人間は大抵、必然よりも偶然が好きなのではないかと思う。そんな偶然をよくテーマにしているオースターの小説が大好きだ。
何か起こりそうで起こらない系の小説も好きだし、何か起こりそうで起こらない話ばかり書いてしまうから、それほど意識したことはなかったけれど、きっと影響を受けているんだと思う。こういうアーティストとは、何に魅力を感じるか? というアンテナの方向が似ているのかもしれない。

 

10. 松永天馬

ミュージシャンとしても、文筆家としても、俳優としても、映画監督としても活躍する彼。私も表現全部自分でやりたいマンなので彼のスタンスには共感と尊敬と憧憬しかない。
そして彼の作品は自身が影響を受けてきた作品へのオマージュでいっぱいだ。作品単体でも面白いし、わかる人にはわかる小ネタがあるともっと楽しい。私に表現と感受の魅力の果てしなさを教えてくれたアーティストは松永天馬だと思う。

 

11. グレタ・ガーウィグ

そろそろ映画監督を上げたいところなのだけれど、自分の好きな”監督”といえば……エドワード・ヤンデヴィッド・リンチガス・ヴァン・サントラース・フォン・トリアーポール・トーマス・アンダーソン……こう並べてみると、どの人からも別に影響らしい影響は受けていないような……(まあトリアー作品の精神病的なところやインモラルな性質なんかは若干似ているのだけれど、影響というより共鳴である)

それで好きな”作品”のほうを色々思い出してみたのだけれど、パッと浮かんだのが『レディ・バード』そして『フランシス・ハ』で、ああ、彼女がいた! と膝を打つことになった。

人生は冒険と妥協の繰り返し、そこに輝きも二日酔いも見出すところ、本当に自分にぴったりの作品に出会えたなあと思った。観て面白かった映画はだいたい人に勧めるけれども、彼女の映画は別に誰かに勧めて感想を共有しなくても、私にドンピシャに刺さったからいいんだ! と思っている。

もし私が映画を撮るなら、マンブルコア的なテイストにしたいなとなんとなく思う。

 

12. みうらじゅん

父がファンなので著書がほとんど家にあった。何かにのめり込む力が強すぎて、その執念で本を出しているイメージ。漫画家だったのを忘れがち。『ない仕事の作り方』という最近の著作を読んでもその印象はそのままだ。人の顔色を伺う(わりに何も読み取れず他人を傷つけまくる)癖のある私は、何かに惹かれたときどうしても「それが評価されているか」「世間一般ではどう思われているのか」といったことにも興味が行きがちなのだけれども、彼の存在や仕事が「そんなことどうでもいいよ!」と語りかけてくれている気がして、影響というか、勇気をもらっている。

 

13. ラーメンズ

もうシンプルに大好きである。
わかる人にはわかる系ギャグやオマージュがよく出てくるので逆にそこから学んでいくというのは筋肉少女帯アーバンギャルドと並んで大いにあった。お世話になりました。(そういった表現はともすれば内輪ノリというか、つまらなくなりがちなのだが、そのあたりはほどほどなのもよい。)

先日自主企画で上演するために脚本を書いたが、単純明快なようで考察しようと思えばできる内容にしたくなるのはこの人たちの影響があるのかもしれない。
あと舞台と衣装の色が揃っていて、小道具も最小限でやるスタイルも好きで。どこかの小屋でやるならそうしたいなーと思っている。実現はいつになるやら……。

youtu.be

とりあえず特に好きなコントを載せておくけれども、公演ごとにすべて観ることを強くお勧めする。

怖いコントとして有名な「採集」も前半はただただ面白いからすごいよなー

 

14. 有江嘉典

ところで私はメインの肩書きとしてはベーシストなはずなのだけれど、ベースは誰から影響を受けたのか書かないのか!? と思われそうなので最後に書いておく。

といっても正直なところそんなに「この人になりたい!」みたいなベーシストはいないのだ。ライブに行ってもだいたい~みんなちがってみんないい~みたいな気持ちでベーシストを観ている。ただし足元やアンプは一応チェックして、気に入れば真似る。

遡ること十余年、中学生の頃の私はとりあえずバンドがやりたくてしかたなかったのだが、自分でもできそう!と思ったのがベースだった。失礼すぎる動機ですみません。だがその楽器に目をつけたきっかけになったのは誰かといえば、VOLA&THE ORIENTAL MACHINEのベースの有江嘉典さん。ルートで結構弾きまくる感じのプレイスタイルは未だに影響を受けているといっても過言ではない。だってそれが一番格好良くないですか? スラップを格好良いと思ったことがない……。

彼はピック弾きだけど私が指弾きなのは、私の頭がちょっとアレでピックを秒で失くすからだ。あと、ピアノの経験のせいか指のほうが小回りが利く気がする。

手が小さく(これは言い訳ではなく誇張なしにかなり小さい。同じくらい手の小さい人間に会ったことが本当に1人くらいしかいない)、コードを覚える必要のあるギターは、とにかく感覚的、衝動的で頭より体が動いてしまう自分には向いていなかったのだと思う。ピアノを習っていたおかげでコードを弾く楽器という存在がピアノで補えていたのかもしれない。そしてメインのフレーズを奏でる楽器への欲もおそらく吹奏楽部で担当していたフルートで満たされており、なんとなーくベースという楽器へ導かれていったようだ。

 

youtu.be

 

公式のビデオじゃなくて申し訳ないんだけど青木裕がいた頃だったためちょっと感動してしまったので貼らせて……あとこの曲が単純にすごく好きです。暗くて。

 

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長かった……ツイートにまとめなくてよかったと思った。
好きなアーティストと影響を受けたアーティストとは似ているようで少し違っていて難しかった。自分の表現を見つめる良い機会となった。いいねを付けてくれた14人の皆様、ありがとうございました。