my lips are sealed

tamavskyのB面

映画館においでよ 来ないならこっちにも考えがある

映画館が閉まっている。

 

映画館が閉まっている!!!!

 

ちょっと待ってくれ! 3月~4月公開で楽しみにしていた新作映画はどうなるんだ! 映画ファンはパニックである。

私は去年あたりから急に劇場で映画をたくさん観るようになった。Amazon Primeに入っているので家で観ることもあるが、やはり画質が気になるし、普段から注意散漫なので視覚的にも聴覚的にも映画に没入したく、できるだけ映画館で観るようにしている。

しかしその映画館も、換気はしっかりとされているものの人が集まる空間には間違いなく、(客観的には)不要不急の娯楽であることも疑いなく、緊急事態宣言に合わせてほとんど休業してしまった。小規模な映画館は特に一時の休業でも痛手だろう……。

 

サポートしたいのは山々、しかし自分の暮らしで精一杯のフリーターに何ができるのか……そう思っていたときにTwitterでこんな記事を見つけた。

「仕事が減っています。映画館に行くことを推奨できない状況であるため、新作映画をおすすめすることもオフィシャルにはできません」との内情を寄せる映画宣伝の“田中”さんは、どんな形でも「おすすめの映画をひたすら語って欲しいです」と呼びかけている。「Twitterでもいいですし、noteでも、ブログでもいいです。媒体さんにもお願いしたいです。」「とにかくこれをきっかけに映画に興味を持った人たちが、映画を趣味として受け入れやすくなるようなコンテンツがあるといいなと思います。」

【調査】緊急事態宣言で映画業界どうなる ─ 劇場スタッフ、映画配給・宣伝、制作関係者らに訊く | THE RIVER

 

これならできる! とブログを更新することにした次第である。
奇しくも前回の更新が『ミッドサマー』を3回観た話だった。

 

ただ今回は、おすすめ映画以前に「なぜわざわざ映画館で観るのか」「映画館ってこんなところ」ということについて書かせてほしい。

 

本記事は映画館に行く習慣のない方へ向けて書いたので、もちろん映画好き各位は「常識でしょ」と思うであろう情報を多分に含むことをご了承願いたい。

 

あと私は別に何の回し者でもない。
ただ映画を観る人が増えれば、好きな映画館がつぶれないで済むし、好きな映画作る人たちが映画を作り続けられるし、映画について話せる友達が増えるしという自分勝手極まりない理由だ。

というのはまあ半分本気、半分冗談で、映画を観ると視野が広がるし、世界で注目されているテーマがよくわかる。人間としてより善く生きるため、映画という文化を吸収することは価値があると思う。もちろん、そんなことには全く役に立たない傑作クソ映画もある。みんなちがってみんないいのである。

 

 

映画はいいぞ

現実逃避できるから。

美しい映像に心が癒されるから。

好きな俳優、声優の演技を堪能できるから。

歴史や現代社会の問題に関する新たな視点を得られるから。

好きな小説や漫画が映像化されて、新鮮な楽しみ方ができるから。

好きなアーティストが挿入歌や主題歌を担当しているから。

きっと一つの作品でも観る人それぞれに観る理由があるし、そのどれもが素晴らしいものだと思う。
そして、それを100%、いや120%楽しむにはやっぱり映画館だ! と強く思うのである。

 

映画館へ行こう

世間一般では、映画館なんて年に1回行くかどうかという頻度が普通らしい。

まずは映画館の良さをアピールしまくろうと思う。

 

映画館で観ることの良さ

映画館の良さはなんといっても環境

自宅であの環境を再現できる人間はチケット代を気にするまでもない金持ちだしそもそも映画好きだろうから置いておく。

ヘッドレストまである大きなイスで、大きなスクリーンで、大きなスピーカーで映画を鑑賞できる環境は他にない。しっかりと真っ暗なので、繊細な映像に集中することができる。

 

また、意外かもしれないが見ず知らずの人たちと同じ映画を観るのが結構良かったりする。笑えるシーンで笑い声が起こったり、感動的なシーンですすり泣きが聞こえてきたりする。私は一般の上映ではまだ見たことがないが拍手が起こることもあるらしい。

上映後、連れのいる人は感想を話しながら帰っていく。自分に連れがいればぜひ映画の感想を話しながら帰ろう。一人で来てそういうの盗み聞いて楽しんでるやつもいるから。

 

映画館の中でも大規模なシネコンではさらにグレードアップした設備を整えているから、さらに上質な、もしくは一味違った映画体験も可能だ。

例えばIMAXは劇場の壁一面がスクリーンになっていて、スピーカーの配置も計算されており、その凄さは映画が始まる前に自信たっぷりに説明してもらえる(毎回そういう映像が流れる)。チケット代は少し上がるが、映像美や音響の迫力を楽しみたい場合はおすすめだ。

3D対応の作品も増えてきたし、「4DX」「MX4D」という3Dを超えて振動や水滴、匂いの効果も加えて映画を体験することができる作品もある。
激しいアクションが売りの映画やアドベンチャーものを観ると、2時間近くずっとアトラクションに乗っている気分だ。値段は高くなるけれどこれが結構楽しい。
昔の映画を2Dのまま様々な効果を加えて上映する場合もある(去年観たマトリックス4DX、かなり楽しかった)。
ちなみにメガネユーザーは水滴がけっこう邪魔なので、コンタクトで行くかメガネ拭きを忘れずに持っていくとよいらしい。

 

あとはやっぱり、映画館で観ることで関わった人たちを金銭的に支えることができる点。
公開期間が延びるかどうか、DVDになるかどうか。そういった部分はやはり映画が公開されて、どれだけ観られたかがカギになる。

好きな俳優やアーティストが参加していたら気が済むまで映画館で観よう。

ちなみに原作者には映画が売れたところであんまりお金が入らないことが多いらしいが、映画が話題になる→原作本が売れるのルートはかなりあると思うのでまったくの無意味ではない。映画を観よう。

 

逆にデメリットといえば、時間が合わないと観に行けないこと、お金がかかること、一時停止ができないこと、だろうか。

時間が合わないは仕方ないとして、少しでもチケット代を安く済ませる方法は後述する。一時停止できないのも仕方ないので、トイレや用事はできる限り済ませておくしかない。そういった困難を取り除いてこそ作品を味わうことができると思うので、そこは各自、努力で……。

 

 

観たい映画を探そう

ところで、映画館でそもそもどんな映画がやっているのか、普段映画を観ない人が情報を手に入れるのは難しいんじゃないかと思う。テレビでCMをやらないような映画にはもはやアクセスすることができない。

おすすめの映画情報サイトは映画.com

まあとりあえずアクセスしてみてほしい。

ランキング上位をチェックするもよし、「上映中の映画」から今やっている映画をチェックするもよし。ポスターとタイトルだけでも気になったらクリックしてみてあらすじを確認する。

日本の映画ポスターは散々揶揄されている通りデザイン<<<情報量なので、とりあえずポスターを観たらどういう映画かざっくりとわかるようになっている。はず。

そして予告編を見るもよし、見ないもよし。たまに普通にネタバレしてくる予告編があるので気になる人は注意。

観たい映画があったら、「映画館を探す」から上映している映画館を確認できる。近くでやっていればラッキー。

 

ちなみに会員登録すると見たい作品をブックマークしておくことができる。観たら「鑑賞済み」に切り替えられて、映画鑑賞の簡単な記録にもなるので便利。
そのへんはスマホアプリが便利なので入れておくとよい。

 

お得に便利に映画を観よう

まずゼロから映画の情報を得るところまではこんな感じだろうか。でも結局観に行かない人が多い。その一番の理由は「料金が高い」だと思う。

日本の映画料金は高い。一回1,900円もするのにハズレを引いたら最悪だと思う。私もぶっちゃけ一般料金ではほぼ観ない。だってお金ないもん……。

でも、安く映画を観る方法はいろいろある。

例えば、公開前に前売り券を買っておくとだいたい一般1,300~1,500円くらいで済む。美術館のチケットみたいにポスターと同じデザインになっていたりして、見映えもよく記念になる。

それに映画の日(毎月1日)、レイトショー割、早朝割、レディースデー、映画館のサービスデー、会員割引なんかがある。
もちろん学生割引、シニア割引もあるし、障害者手帳を持っている人は同伴1名まで割引(大抵1,000円)になる。生きているだけでお得に観られる人が周りにいたらぜひ誘って一緒に行こう。
割引サービスは映画館によって異なるので調べてみてほしい。

 

席の選択、チケットの購入はネットでもできるし、当日の劇場でもできる。ただし公開されて間もない映画は、平日夜や土日に観に行こうとすると結構並ぶし最悪売り切れてしまうことがある。
大手シネコンTOHOシネマズはサイトからそのままApple Payで支払いができるのでかなり便利。カード番号をわざわざ打ち込まなくても、指紋認証ですぐ支払い完了だ。逆に怖い。

メールアドレスだけでも会員登録しておくとカード情報を記憶しておくことができる映画館サイトもあるので、家からのアクセスが良かったり、ラインナップが良かったりする映画館がわかってきたら、なんだかんだ登録しておくとよい。メルマガも設定しなければそんなに来ない。

 

映画館ループにハマろう

不思議なことに、映画館へ行っていると映画を観るようになる。

なぜかというと映画が始まる前には必ずと言っていいほど予告編の時間がある。チケットに記載の上映開始時間の後も10~15分程度は予告編であることが多い。
そこで「あーこれ面白そうだな」と思い、観に行く。またそこで別の映画の予告編を目にする。「あーこれも面白そうだな」と思い、観に行く……そうして頭上にウロボロスが回り始める。

もちろん「面白そうだな」で終わってしまうこともあるのだけれど、そこを観に行ってみることで、映画館で観るという体験の虜になっていくのだと思う。

 

ミニシアターへ行こう

私が初めて映画を観たのは地元のサティ(現イオン)に入っていたワーナーマイカルシネマ(現イオンシネマ)。
ところで最近行くのはほとんどがミニシアターだ。

現在休業によって特に困っていると思われるミニシアターにも興味を持ってもらえたら嬉しいので、ミニシアターが好きな理由、良いところを考えてみた。

シネコンにはないラインナップ

やっぱりミニシアターの良いところは、シネコンではやらないようなまだ知名度の低い監督の作品だったり、インディーズ映画も上映してくれること。

特に日本のインディーズ映画ならお値段変わらず舞台挨拶つきの上映があったりして、監督や、さっきまでスクリーンの中にいた役者さんが目の前に出てきてお話をしてくれる。もちろんテレビに出てくるような有名な役者さんが出てくることはほとんどないけれど、無名でもいい役者さんは本当にたくさんいる。
質問タイムを設けることも多いので、質問ついでに感想を伝えることもできる。

映画を紹介するPOPが楽しい

こちらもミニシアターの醍醐味。映画館スタッフが少しでも「観たい!」と思ってもらえるように頑張っている。フォトスポット風になっていたり、雑誌の切り抜きがスクラップしてあったり、作中に登場する場所を再現していたり……とこだわりがすごい。映画が始まるまでの間や終わったあとはそんなPOPたちを眺めながら期待を膨らませたり、余韻に浸るのもよい。

小さいからこそのリラックス感

学校の教室ほどしかないような小さな劇場もある。その分、客席が少ないため他人が気にならない、リラックスして映画を観られるという良さがある。

例えばアップリンク吉祥寺のスクリーン5番は、座席がなんと3列しかなくて、最前列でちょうどいい。椅子やカーペットもこなれた雰囲気で、まるでホームシアターのようなのだ。気になった映画がたまたまそこでやっていれば迷わず最前列のど真ん中を予約する。

客層が良い(場合もある)

あまりシネコン下げはしたくないし、某ミニシアターで一人で映画を観ていたら映画の感想を語りましょうの皮をかぶったナンパ(最悪!)に遭ったこともあるので、一概に良いとは言えないけれど……
やっぱりミニシアターは多少なりとも映画好きな人が集まるので、比較的マナーが良いというか、映画を観るのに慣れているお客さんが多い。
少なくとも、携帯電話が気になっちゃうような人はそうそういない。

オリジナリティ溢れるマナー広告

地味に面白いのがこれ。映画館によってはかなりあっさりしている場合もあるけれど、かなり凝っているところもあるので注目してほしい。
特に好きなのがユーロスペースアップリンクで、どちらもかわいくてシュールなアニメで上映中のマナー向上を呼び掛けてくれる。

ちなみにシネコンよりちょっと強めの表現で呼び掛けてくれる。
マナーを守らないお客さんは、異世界に飛ばされたり火あぶりに処されたりする。

みんな安くはないチケット代を払っているし、苦情を処理するスタッフだってそんなにいいお給料をもらっているわけではないはずだ。
誰も得しないので、マナーは守ろう……!

私の好きな映画館

最後に、私の好きな映画館たちを紹介する。
お得な会員制度から近くの飲食店事情まで、実際に行っているからこそ知っている情報を伝えたいと思う。
新型コロナウイルスの流行が落ち着いて、映画館がまた開く日が来たら、ぜひ訪れてほしい。

アップリンク(渋谷・吉祥寺)

一番お気に入りの映画館。一番行っている。

去年から私は会員になっていて、これがとてもお得。
年間会費1,500円(22歳以下は500円!)で平日1,000円休日1,300円で映画が見られる。(今年6月12日からは平日1,100円になる)
1,900円×3=5,700円
1,300円×3+1,500円=5,400円
と、土日しか映画に行けないとしても3回観れば300円お得になる計算。

特にアップリンク吉祥寺は駅から近いし、できたばかりで内装がお洒落で綺麗だし、イスもふかふかで傾斜も程よくとても快適でおすすめ。
渋谷はちょっと駅から遠いしときどき会議室のちょっといいイスくらいのに座ることになってビビるが、ユーロスペースBunkamuraが近いので映画や美術館とのハシゴに便利だ。

ちなみに、吉祥寺は近くにくぐつ草やゆりあぺむぺるといったレトロな喫茶店があるので、鑑賞前後は必ずどちらかでコーヒーを飲むのも楽しみの一つにしている。後者に関しては多分店員さんに顔を覚えられている。私は覚えてるから……。

シネマカリテ(新宿)

新宿のミニシアター。東口・東南口からすぐの好立地なので、仕事終わりや夜遅くの鑑賞も楽ちん。
劇場はどれも結構小さめ、かつ傾斜が少ないので、特に背の低い人は前のほうで観るのがおすすめ。

同じビルや周りに飲食店も多いので、映画の前後に寄るのに便利。

武蔵野館(新宿)

こちらも新宿のミニシアターで、シネマカリテと同じ系列。
館内POPがいつも凝っているイメージ。
休憩スペースがミニシアターにしては広くて、喫煙所もある。ミニシアターは大抵開場が上映の10分前なのだけれど、ちょっと早く着きすぎちゃっても大丈夫だ。

こちらも新宿駅近くなので、ごはんやお茶をする場所には困らない。

早稲田松竹

東京メトロ副都心線西早稲田駅か、JR山手線・東京メトロ東西線西武新宿線高田馬場駅が最寄り。いわゆる名画座で、旧作を二本立て1,300円で観られる。特別レイトショー上映は1,000円。お得。

ほぼ毎週特集が変わるので見逃しに注意。

学生街なので多少がやがやしているが飲食店には困らないし安いお店が多い。

ヒューマントラストシネマ(渋谷・有楽町)

私は入っていないのだが会員制度がお得。
年会費1,000円で「TCGメンバーズカード」を作れば、テアトルシネマグループの9館、角川シネマ(有楽町)、EJアニメシアター新宿、シネマート(新宿、心斎橋)、シネスイッチ銀座での映画鑑賞が1,300円、火曜と木曜は1,000円になる。
金額もお得だし、こんなに色々な映画館で割引が使える制度はなかなかない。

渋谷のほうは、近くにあるFREEMAN CAFEがおすすめ。コーヒーが美味しいしごはんもコスパがよい。
同じビルに入っているDieselのカフェはあんまりコーヒーがおいしくなかった。

TOHOシネマズ(新宿、渋谷、六本木など)

色々な場所にあって友達と観に行くのにも便利だし、最新作がいち早く観られるのが大手シネコンの良さ。先述の通り予約と支払いがめちゃめちゃ楽。IMAXや3D・4DX対応スクリーンも豊富。

六本木は近くに森美術館国立新美術館もあり、休日の予定が充実する。

グランドシネマサンシャイン(池袋)

最近できたばかりの綺麗なシネコンIMAX目当てでよく行く。
ビルの上のほうにあり複数階にまたがるため、あまり時間ギリギリにいくと焦ることになるので注意。
降りたところにバーガーキングがある。周りにも飲食店が多く、腹ごしらえが気軽に済むのもよい。

 

とはいえ、今はお休みなので

私が6,000字を費やしたところで行くことはできない。

仕方ないので、ストリーミングで映画を観よう。

ということで漸くおすすめ映画について語りまくるフェーズに突入させてもらう。

 

次回へ続く……。