my lips are sealed

tamavskyのB面

いいふみつくろう

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今朝は11時ごろにアラームをかけていたけれど9時過ぎに宅配便のチャイムで目覚めてから二度寝したくならず、そのまま起きて洗濯をした。

11/23、いい文の日。文学フリマ日和だ。私が休みの日はいつもあまり天気が良くないのだけれど今日はよく晴れて気持ち良い日だった。

文学フリマ東京はしばらく出店者として参加していたのだが今年は10月に札幌に出店したので、今回はお休み。一般入場で13時半ごろ向かう。

久しぶりにこんな人混みを見た、というくらいの人出で、びっくりしたしなんだか嬉しくなる。新型コロナの感染者数もかなり少なくなってきたし、わりと著名な作家やエッセイストが出店しており注目度も高かったのだろう。

 

人混みに圧倒されていると、たまちゃん!と声がして、見ると髙井さん(友達、バンドをやっている、詩と音楽の才能がメチャメチャある、眼鏡をかけていて、外すと蒼井優に似ている)がいる。来ているとは知らなかったので驚く。今日は友達のブースをお手伝いしているらしい。

 

まず、桐山もげるさんによる柴田聡子さんのFANZINE『100mをありえないような速さで走る50の方法』を購入。ブースにいらっしゃったのが桐山さんなのか確かめられず柴田聡子愛を伝えることができなかったがもしかしたらそうだったのかもしれない。柴田さんのことになると感情が膨れ上がって暴走してしまいそうになり、それを抑えようとするといつも漠然としたことしか言えないので、まあ、よかったのかな……と思う。昨日Twitterをフォローしたら、フォローバックしてくださった。

(読みながらの感想↓)

 

とりあえず流れに任せて歩いていたら見覚えのある美しい表紙が視界に入る。小沼理さんの日記本『隣人的』だ。すこし前にこのブログを"購読"していただいたことで知り(合い)、初めて対面した。オンラインからオフラインに繋がるこの感じがどこかなつかしい。ご挨拶ができて良かった。

植本一子さんの本を読むようになって人の日記というものの面白さに気づき、最近は色々な人の日記の本を読んでいる。友達の日記も、まったく関わりのない人の日記も好きだ。私は他人の生活を覗き見することがほとんど性癖というくらい、好き。この話はいずれどこかで書きたいような、胸の内にしまっておきたいような。

 

つぎに「ゆめしか出版」のブースへ。外苑前のギャラリー・白白庵の青山さんが発行者の『日本現代うつわ論』と題されたボリューミーな一冊を購入。青山さんとは知り合ってもう9年経つらしい。好きなバンドでギターを弾いており、そのバンドが結成された軽音楽サークルに私も入ったので、遠い後輩になった。彼が音楽から離れ、器を中心に様々な作品をあつかうギャラリーで働きはじめたあとも親交があり、イベントスタッフのアルバイトをしたこともあった。そして前回の文フリ東京で「こんど本を作って文学フリマに出そうと思うから、偵察にきたよ」と私のいるブースにも遊びに来てくださったのだ。縁あるアーティスト大槻香奈さんによるかわいらしいPOPが並んでいる。豪華な執筆陣につられてかブースは盛況だった。かといってビッグネームをただ詰め込んだだけでは勿論なく、 "ギャラリーの中の人"が作った本らしく構成にもこだわりが詰まっているとのこと。ゆっくりと読み進めて、読み返していきたい。

 

こだまさんと、担当編集の髙石さんの『こもれび』も買う。995円なので、1000円出すと5円ご縁が返ってくるという粋な値段設定。早速帰りの電車で「桶おばさん」の話を少し読んだが、私も温泉という場が少し苦手、だけど温泉そのものは好きというアンビバレンスを抱えているのでいきなり妙に感情移入させられる。こだまさんのエッセイは、「側から見たらアホかもしれないがこっちは必死なんだよ!」的な面白さが本当にいい(すみません)。単に外から笑っているわけではない。笑いながらもちゃんと一緒に必死な気持ちになれるから大好きなのだ。

 

鳥野みるめさん、柳沼雄太さんによる写真と小説の往復書簡『ひびをおくる』は、表紙をどこかで目にしたような気がして気になって立ち止まり、立ち読みして結局買った。柳沼さんは谷保で「書肆 海と夕焼」という綺麗な名前の本屋さんをしているそうで、わりあい近いので行ってみようと思う。そういえば"往復書簡"も、最近気になることの多い形式だ。いつかやってみたいけれど、一人ではできないので、ゴニョゴニョ……いや、もう、一人でやるか?

 

その後は短歌のブースをひととおり巡る。人が多くて立ち読みする勇気がなく、一旦離れたところでTwitterを開き、何首か作品に目を通して目星をつける。短歌ユニット「苗」の第一歌集『苗』、短歌同人「砦」の『砦』を買う。偶然漢字一文字どうし。潔くていい名前だ。そういえば私の名前も漢字一文字だ。

 

髙井さんの友達が参加しているブース(ストリップ劇場のファンによるもの)にも寄って、エッセイを一冊買った。ぱらぱらと立ち読みしてみて、ストリップ劇場が渋谷にもあることを初めて知った。浅草や上野にもあるとのこと。少し勇気がいるけれど、これを読み終えたら行ってみたい。今日の私は流通センターに行っただけなのに、行ってみたい場所がどんどん増えていく。視界が急に開けるような、埋もれていた道が見えてくるようなこの感覚がたまらない。 文学フリマ、やっぱり来てよかった。

 

Aちゃんに頼まれて、yobai videoという音楽ユニットをやっている藤本薪さんと、その友達の師走さんによる小説の本『リマインダー』を購入。話の流れでAちゃんが私のことを紹介するのに「同居人、まあ彼女なんですけど……」と言っていたらしいことが判明して、交際者の対外的な呼称をどうするか問題、難しいよねという話になる。"彼氏"、"彼女"というと「いきなりプライベートな話をし出したなコイツ……」という感じがするし、かといって"パートナー"は重くない!?などなど。話には出なかったけれど"恋人"も全然違うなあという感じがする。別に恋しているわけではないと思う。好きなTwitterユーザーが"交際者"という言葉を使っていて、それが自分としては一番しっくりくるというか丁度良いのだけれど「コウサイシャ」が一発で伝わるだろうかと日和ってしまい、私も結局「同居人、まあ彼氏なんですけど……」をやってしまっている気がする。(というわけでこのブログでは彼氏でも恋人でもパートナーでも同居人でもなく、Aちゃんと呼ぶことにしている。)

 

本をたくさん買って、また本を作りたい気持ちになる。先月作ったばかりなのに。この本の表紙の紙がいいなとか、こういうレイアウトがいいなとか、アイデアがぽんぽんと浮かんでいく。1年1冊を目標にこれからもがんばろう。いいふみつくろう。

 

晩ご飯の材料とお花とケーキを買って19時すぎに帰宅。なぜお花とケーキかというと、Aちゃんが今日で生誕10000日目を迎えるからだ。ついでに25日で同居1周年の節目でもあるので、ちょっとしっかりめにお祝いをしてみようと思ったのだ。生後10000日は誕生日と違って調べないとわからないから、サプライズで祝うことにした。それで晩ご飯もこっそり少し豪華にした。ネギトロごはんと、かぶと鶏団子のスープ、Aちゃんの好物である揚げ出し豆腐と揚げ出し大根。

私のほうが帰りが遅かったので玄関にケーキと花束を置いておき、Aちゃんが食後のコーヒーを淹れている間に玄関でケーキにロウソクを1本立て、花束も抱えてリビングに登場。私はわりとサプライズを仕掛けるのが好きなのだが、Aちゃんは仕掛けられるのが好きかどうか怪しいので、家の中でこじんまりとやった。今日が生後10000日って親でも知らないよ、とつっこまれたが「うれし〜ありがと〜」と喜んでいた。Aちゃんはお腹いっぱいになって早く寝た。冬でも体温が高くて半袖で寝ている。次の10000日も変わらずポカポカであること(=健康)を祈っている。