my lips are sealed

tamavskyのB面

好きな顔

「好きなタイプ」について、例えばくだけた飲み会だとか、他人の恋の話だとか、そういう場面で尋ねられてみれば即ち混沌。自分の好きな人間を特徴から束ねるということをあまりしてこなかった。外見にはそれほどこだわりがあるとは思わない。眼鏡をかけている確率が高いが眼鏡が好きなわけではないし。楽器を嗜んでいる確率が高いがそれはテリトリーの問題でもある。煙草を吸っていそう、というのは一番正解に近いかもしれない。

私の「好きなタイプ」は第三者の目から見ても明らかに何かが"ある"ようで、友人も親族も、新しい交際者の写真を見せると「……っぽいわ〜」と口走る。

何が? と問うと「雰囲気」「文化系」「バンド」「レズビアンっぽい」といったふんいき〜の返答しか来た試しがない。外見にはやはり共通点がない。

それでも、強く自覚していないだけでもしかしたら強烈に好きな顔があるのかもしれない……とたまに考える。外見が好みな俳優、モデル、アーティストを見つけたときなど特に。ある日、ふとネットニュースを見て私は気づいた。

 

インパルスの板倉さんの顔かなぁ…

 

もちろん相方の物損事故のニュースで思い出した。どんまい。

ヤギはどこへ

最近また体調が不安定なので今日は久しぶりに湯船に浸かる。浸かりながら書く。

 

柴田聡子さんのニューアルバム『ぼちぼち銀河』、予想をしっかり飛び越えてくる傑作だった。これまで以上に歌詞とメロディとリズムのあわいの妙が光っている。「ジャケット」2番Aメロの手拍子、へんなリズムなのにすっかり叩けるようになった(歌詞のアクセントの気持ち良いところで叩くとしっくりくるのだ)。「旅行」を聴きながらみんなは誰と誰を思い浮かべるか聞いてみたい。柴田さんとそのお友達、自分とそのお友達、鈴木さんと佐伯さん、いろいろあると思うけど私はなんだかAマッソの加納さん村上さんが浮かんだりする。「恐くなったらくっついて名前呼び合おう」とかね。既視感がある。

「ぼちぼち銀河」はKIRINJI「エイリアンズ」を引き合いにだしたくなるな。後者は地球上のありふれた風景を詩情たっぶりに描写し、そこにいて愛し合うおそらく人間ふたりを「僕らはエイリアンズ」というのだけれど、「ぼちぼち銀河」の背景は壮大なSFセットだ。そして切ない別れの詩だよねこれは。心の距離だけじゃなくて年月の距離もあるみたい。さみしい星か、それにひっついた微生物が歌ってるみたい。「ゴールデンレコード」が歌詞に出てくるから宇宙をひとりどこまで進んでいくボイジャーが念頭にあるのはもちろん、月の裏側に放置されてしまった探査機のこととか、そういう宇宙レベルの孤独の歌なんだけど、宇宙レベルだからこそ「ぼちぼち行こうかねーっ」くらいが妥当な心持ちなのかもしれない。Space Oddityでも、宇宙にひとりぼっちになったトム少佐は "Planet Earth is blue and there's nothing I can do"って言うだけ……。

 

5月29日は文学フリマだったけれど行けなかった。というのも友達が同日の東京競馬場のチケットを手に入れてくれたのだ。そう、ダービーの日に!

友達は当日体調が優れず結局私一人で行ったのだけれど、やっぱり生で見るお馬は格別。かっこよかった。私が肩車できるくらい小さい頃、父親に連れられて中山競馬場へ行ったことがあるのだけれど、その頃の記憶が蘇った。あのみんなの声援が飛び交う瞬間、熱気に溢れた競馬場、楽しいな。若い人も随分たくさんいた。

パドックもしっかり見られたおかげで馬券を買ったレースは全て何かしらが的中。合計4800円が19010円になって返ってきた。おしりがプリッとして毛並みがツヤツヤの馬はやっぱり強い。

というわけで収支は大幅プラスで大満足なわけだけれど、文フリで買いたかった本もたくさんあった……。どんどん活気が戻ってきている気がするので、秋は必ず出店したい。本を作りたい!作らなければ!

いつかは共同制作もしてみたいので、私のことが気になっていて本を作りたい人は、声をかけてください。

 

5/29は友達の誕生日でもあるんだけど今年まだプレゼントを送っていない。頭を悩ませ中。

 

そういえばgoatというブログサービスが今日で終了する。縦書きにできるブログサービスがほかになかなかないので短歌の置き場所に重宝していたのだけれど、どうしたものか。ひとまずデータのエクスポートは済んだが、今後どうするかは全くの未定。

プリンまゆげ

更新してなかった間に起きたこと。

 

3/12・13

楽器を買った。ウクレレに続き、電子ピアノを。毎日弾くわけではないけれどときどき思い出したように触る。ピアノを習っていたのはもう10年以上前だけれど、発表会で弾いたような曲はたどたどしくも楽譜をなぞることができた。エリーゼのために、花の歌、子犬のワルツ。たとえば記憶を無くしても弾けるのかもしれない(ピアノマン、懐かしいな……どうなったんだろう)。思ったより下手になっている気がするが、専用の椅子を買わなかったので立って弾いているのがよくないのかもしれない。楽譜を実家から持ってきて、ブルグミュラーの「乗馬」が弾けるようになった。

記憶といえば、『海馬を求めて潜水を』を読み始めた。記憶の糸を紡ぐような、とでも言おうか、想像力をかきたてる美文が満載なので、酒に酔った状態だったり、眠気でぼんやりしている時に読むのに最適だ。思考がニューロンをたどって旅に出てしまう。頭に入っているかどうかはよくわからないのだけれど心地よい。

 

下北沢でやっていたPodcast Weekendに行ってゆる言語学ラジオの人気に震えたり、月日で『あさみボンゴレ』を買ったり、reloadでの植本一子さんの写真展に行って、写真集にサインをいただいたりした。あの日はいい日だった。上着がいらないほどあたたかくて、卒業式後らしい袴姿の女の子たちが写真を撮る場所を探していたので、撮りましょうか?と声をかけたらとても喜んでかわいいポーズをとっていた。

 

4/3

ハク亜キッズのスタジオ予定を立てる時に、この日は夜ライブいくから楽器はレンタルしたいなー、と私も小出も言った日があって、聞いてみたらやっぱり同じ、家主のライブだった。なんかいい意味でふつうで、いつまでもあれくらいの温度感でバンドをやっていたいと思った。小出とお連れ合いさまとその友達と私で居酒屋に行った。居酒屋が久しぶりで必要以上にわくわくした。嬉しかった。

 

3/26

友達たちがうちへ遊びにきた。4人。

みんなでお惣菜やお菓子を持ち寄って食べた。友達が持ってきたちいかわカルタで遊んだ。「ル」がチートすぎて笑ってしまった。

うちにあるニャーメンズで遊んだ。ルール説明が面倒なのでまずオモコロチャンネルのニャーメンズ回を見てもらった。3回目のプレイでぎりぎりのところで修理が失敗し、いや、アサシンはいない!ウチらはきっと全員ニャーメンズ!という機運が高まり、全員で場の真ん中を指し、役割のカードをめくるとみんなニャーメンズであった。あまりの感動。自然に口をついて出た言葉は他でもない、「We are……ニャーメンズ!」


4/14
通院。病院が府中から吉祥寺へ変わった。といっても自分の主治医が分院に異動?になっただけ。季節の変わり目に加えて仕事も忙しくなって少し不安定だったのでそれを伝えたら、通院を2ヶ月に1回にしましょうの話が一旦振り出しに戻った。バイト頑張ってたから業務委託にしてくれて〜と主治医に話したら一緒に喜んでくれたし褒めてくれた。ありがたい。(この約1週間後に物凄い鬱が来た)

 

4/16

柴田聡子inFIREめあてで、CRAFT ROCK FESへ行った。会場が立川で、家から近くてとても楽だった。Instagramを見ていたら高校の同級生のKくんも来ていることがわかったが、彼が誰かと一緒だったらすまないなぁという気分と、なんとなく自分も一人でいたい気分があり、わたしもいるよ〜、何見るの〜、くらいのメッセージのやりとりに終始した。

柴田聡子inFIREはやっぱりサイコーで、こんな晴れた日にビールで酔っ払って聴けるなんて……と幸せいっぱい、「旅行」を聴きながら少し泣く。アルバムもツアー(つっても東京しかチケット取っていないけれど)も楽しみだ。私たちはそんなことだけで生きていけるのだ。

 

4/17

美容室へ行って、伸びた根元までまたブリーチをした。前髪を思い切って短くしてみた。担当の美容師さんが前髪を短くしていてそれが可愛かったのでなんとなく頼んでみたのだが、意外と似合っている気がする。職場でも何人かが褒めてくれた。多分眉毛を脱色したのも良かったんだと思う。普通眉毛の脱色って、体毛用の脱色剤を使うらしい。私は普通に毛髪用のブリーチ剤を眉毛に……塗っていた……。10分くらいで完璧に眉毛が金色になった。眉毛が金色だと何も生えていないみたいで、ノーメイクの顔の人相が変わった。鏡の中に知らなかった自分の顔がある。まだ慣れない。

眉毛がプリンになっている状態を早く見てみたい。見たことのないものが見たい。

 

近況

わかりやすく燃え尽き症候群で久々の更新。

ところで2月頭はコロナに罹ってしまい散々だった。軽症も軽症で、2~3日の間高熱が出たのはかなり辛かったけれども肺炎になることもなく、10日間家に閉じ込められているほうが精神的にきつかった。幸い家で出来る仕事がほとんどなので、熱と頭痛がおさまってからの約1週間は在宅で仕事をしていた。同居人Aちゃんは(発熱前日まで同じ家で一緒にご飯食べたのに)幸運にも陰性で、でも私のいる家に帰ると再び感染リスクにさらされてしまうので、職場(障害のある人が自立するために生活の練習をする施設なので、人が普通に暮らすことができる)の部屋で生活していたらしい。

療養中、とにかく甘いものやジャンクなものが食べたくて仕方なくなるので、今後罹って自宅やホテルで療養することになった際には参考にしてほしい。絶対にお菓子が必要。あと、あとから喉の痛みがやってくるという症状の人が多いようなのだが、同じ味ののど飴が続くとかなり飽きるので、フルーツのど飴みたいな、色んな味が入っているのを買うのがよいと思う。

 

先日職場で面談をして、来年度からはアルバイトではなく業務委託契約ということになった。お給料を時給で支払われていたのが月給制にしてもらえることになったので、2月や5月、年末年始など、営業日の少ない月に焦らなくてもよくなるのはありがたい。ひとまずまた1年は会社員をやらないということなので、ライターや校正といった、以前から興味のある副業をちまちまとやっていこうと思う。

校正の通信講座は思ったより滞ってしまっているが、第7月がもうすぐおわって、次で最後の月。今は横組の校正を学んでいるのだけれど、そういえば最近はあまり横組の本を目にすることがなく、引き合わせ実習をしながら目の運び方に慣れていないのを感じる。

 

友達のバンドのMVを今作っている。Premiere Rushで最初は作っていたのだが結局もっといろいろなことをしたくなって、Proを導入してしまった。もったいないから色々動画も作っていきたい。というわけで動画編集のお手伝いなんかも、ご依頼お待ちしています。

 

尾道にいる

あけましておめでとうございます。2022年最初の更新はなんと広島は尾道から。

ライターズインレジデンス尾道という、千光寺のふもとのゲストハウス「みはらし亭」に格安で泊まれる企画。Webライターからフォークシンガーまで色々な人が来ている。できれば数週間泊まりたかったが、仕事の時間を減らすということは来月の私が経済的に困窮するということなので、ほどほどにしておいた。が、ちまちまと作業依頼に応えていたら今週月~水、昼過ぎまでは仕事の予定になってしまった。

とはいえ、広島県にはマンボウが出ているからほとんどのお店が開いておらず、仕事が休みでもそれほどすることがない。いや、本当はもっと勉強したり本を読んだり詩や短歌を詠んだりしたいのだけれど。まあそれでも、東京で忙しく働く日々に比べればなんてゆるやかで自由な生活だろう。

茶店めぐりができなかったのが本当に残念だし、大久野島(毒ガス工場があった、現うさぎの島)にも行けなくなってしまったけれど、それなりに楽しく過ごしている。もっと街の人や参加者と交流したい気持ちがあるものの、わりと皆プライベートを大切にしている感じなので、ニャーメンズ(ボードゲーム)を持ってきた私がアホのパリピに感じられている。私は私のことばかり考えている根暗のくせになぜか外向的で、本当はいつも人と話したくて、人と遊びたくてたまらない。自意識過剰の寂しがり屋なんだと思う。

で、それが旅先でこじれているのかこの1週間毎日酒を飲んでいてさすがにちょっとやばいなぁと思い始めた。そもそも強くないので飲みすぎることもないのだが、夜になるとどうしようもなく物足りない気持ちになって酒を飲み始めてしまう。物足りない、というのが寂しさなのか不満なのか怒りなのか、よくわからないけれどとにかく酒を飲んで酔っていればなんとかなる……。

尾道滞在中は毎日欠かさず日記を書いている。ここで公開しないのは言ってしまえば、今年作る本のネタにしたいからだ。しかし、思うように店に入れず、観光もあまりできず、街の活気がいまいち感じられない中で本を作るのは少し苦しいものがある。そういった心もとなさを打ち消すためなのか、毎日とにかく歩き、石段を登り(運動不足にはかなりつらい)、たくさん写真を撮っている。

東京に戻っても郊外に住んでいるので、それほど利便性のない日々が続く。それを考えるとこの街に住んでもよいような気がしてくるけれど、実は家の近くの川が恋しかったりもする。海もいいけれど川もいいぞ。水辺は常にそこにあるものを写していて、流れたり波立ったりして動いているから、見失いがちな生きている感覚や時間の流れを取り戻すことができる。多摩に住んで1年、私の中に川が流れていると気づくことができた。

ことおわ

 

最近全くブログを書く時間がなかったし、今もかなり、書いている場合ではないのだが、年を越す前に色々と書いておきたくなってしまった。

 

12月といえば私の誕生日。伊香保に一泊した。近場の温泉ならどこでもよかった。初めて訪れたのだけれど、人もまばらで石段街ですらお店がほとんどやっていなかった。草津のようないかにも観光地然とした温泉街をイメージしていたのでちょっと驚いた。歩けども歩けども、ちくしょう廃墟ばかりではないか。少し路地に入ればすぐ、つげ義春の貧困旅行記的な雰囲気の街並みが現れる。

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源泉近くまで散策してゆくと川が温泉の成分(酸化鉄)で黄金色になっていて、壮観だった。

あと、全然関係ないのだけれど、少し離れたところに金ピカのダウンコートを着ているおじさんがいて何者なのか気になった。常に2〜3人の付き人をはべらせ、着物を着ているようだったので、演歌歌手か何かだろうかと推測。

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泊まった旅館は「ぴのん」という洋風旅館で、松本楼の姉妹館なのでどちらのお風呂にも入れてお得だった。私は(人のいる)大浴場があまり好きではないので、寂れていて……というと切ないが、空いていて助かった。ゆっくり温泉だけを楽しみたい人には穴場なのかもしれない。アクセスも良いし(八王子から直通の高速バスが出ていてとても楽だった)。

旅館はごはんが美味しいというレビューが多くて楽しみにしていた。カジュアルな和風コースで、どの料理も評判どおりだった。

夜、喫煙所で一服していて空を見上げると満点の星だった。あんな星空は久しぶりに見た。目が慣れてくるにつれ小さな星たちも見えるようになり感動がパワーアップし続けた。

二日目は伊香保グリーン牧場へ行った。道中のバスに財布を忘れて完全にテンションが下がったのだが、うさぎに癒され、羊に振り回されるなどして元気を取り戻した。

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羊は、団体行動のあとに放置されるとすぐにぐでぐで〜っと座り込むので、中学生みたいで面白い。牧羊犬のショーはわんちゃんたちがとてもかっこよくて感動したのだが、優しい性格の牧羊犬ティリーちゃんにだけ妙に反抗的になる羊がいて、やっぱり中学生みたいで笑ってしまった。

 

誕生日プレゼントに図書カード1万円分を‪貰ったので、最近は角川の新字源(漢字辞典)、ダニエル・L・エヴェレット『ピダハン』、大西寿男『校正のこころ』を買った。あと文庫1冊くらいなら買えそうだ。

クリスマスには、着る毛布をもらった。あまりにも家の中で寒い寒いと連発しているからだろうか。

 

今月、副業のバイトの労働時間が100hを超えていた。衝撃。会社員時代のマックスの残業時間も優に超えている。やはりこれくらい余分に働くと人は生活が破綻するのだと思った。もうしばらくこんなに働くことはないだろう。というか働きたくない。

 

2021年はなんだかよくわからなかった。嫌なことばかり起きたように思う。でも、最後のほうで楽しいことが少し起こったからなんとか頑張れている。

 

最近は、家主の新しいアルバムばかり聴いている。「それだけ」から「老年の幻想」への流れが好きで、仕事帰りにエネルギーチャージという感じでよくそこを再生して、そのままアルバムをまるごとリピートしていく。好きすぎる。来年の4月のライブチケットをとったので、それまで期待を膨らませていたい。

 

来年の目標は節約。少ない収入でも生きていけるようになることが一番生活を楽にすると気づいた。心身ともに強くない人がまず身につけるべきは節約術だと思う。

 

さて、本年は大変お世話になりました。

来年もどうぞよろしくお願いいたします。

生活の練習

土曜の夜勤中Aちゃんから、今自分は仕事など頑張りたい時期であり、その中で部屋が荒れていくのがしんどいのでお互いもう少し家事をためないように頑張りませんか、という内容の少し長めのLINEが来る。確かにここ最近は洗い物と洗濯物の溜まり具合が過去最悪レベルに達していた。多分、私への苛立ちと自身への反省の間を行き来してできるだけ平和的な文章を作ったのだと思う。そういう跡を感じたのは私が後ろめたいからだろうか。返信は短く謝罪と反省の意を述べるに留めた。家が荒れているのが平気である(と思い込んでいる)自分が恥ずかしかったからだ。

昔から片付けることが異常に苦手で、限界まで何もかもを出しっぱなしにしてしまう。一度友達に部屋の片付けを手伝ってもらったことさえある。片付けるということをしっかりと練習しなければならない。

朴沙羅『ヘルシンキ 生活の練習』を読んでいて目から鱗だったのが、フィンランドでの教育の方針は子供の才能や人格を評価することはせず、生活に必要な、あるいはその子に足りていない「スキル」を身につける、練習するということに重点がおかれているということだった。この考え方に照らせば私は性格が怠惰でだらしないのではなく、片付けのスキルを身につけられていない、ということになり、だから今からでも練習すればもう少し上手くやれるということになる(しかし誰から学べばよいのだろうかと途方に暮れてしまう)。みんなはどうやって練習してきたのだろう。聞いて回りたくなる。

私は金銭の管理も非常に苦手である。常にどんぶり勘定だ。人と同居していても、家賃と光熱費だけは明確に割り勘することにしているが、食費はかなりなあなあになっている(し、今は私が少し多く出しているような気もする)。

家計簿をつけたほうがよいと思っている。昨日、書店の家計簿コーナーで、「やめられない家計簿。」という、三日坊主に強く訴えかける帯の家計簿を見つけた。中身をパラパラと見てみるが苦手な作業の全てが詰まっているようで早々に閉じる。あと、書店に並んでいる家計簿はデザインもあまりよくなかった。どれも花柄でかわいらしいものばかりで、シンプルなものは表紙にデカデカと明朝体で「家計簿」と書いてある強烈なデザインのものしかない。本当になかったのだ。金銭の管理は女が、妻が、母が、というステレオタイプにもうんざりするし、女には花柄という短絡さにもイラつく。金銭管理という厳しさをやわらげるための優しく明るいデザインではあるのだろうけれど。こんなひねくれた女でも使いたくなるような家計簿がないならつけてやらん! と売り場を後にするが、あとでネットで探すと無印やコクヨのがシンプルで良さそうだった。なぜそれを売り場に置かないのか……。そもそも、家計簿はアプリでつければいいのかもしれない。私はノートとペンを片付けられないだろうから。

カレンダーも来年の分を買わなくてはならない。急に年末感が出てきた。そういえば今年使ったのもコクヨの、とてもシンプルでインテリアを邪魔しないものだった。あとでAmazonで買っておく。

 

先述の『ヘルシンキ  生活の練習』は、冒頭をパラパラと読んで「ほー、フィンランドに移住した女性と家族の話なんだ」という情報だけ得て、いつか校正の課題に出てきて読んだ北欧に移住することになった女性のエッセイ(タイトルが思い出せない)を思い出して、勝手に美しくも厳しい自然の描写を期待してしまった。しかしこの本は全くそういう内容ではなくて、(自然豊かな場所には住んでいたらしいのだが)ほとんどが実際に体験したフィンランドの教育や政治、国民性といった人間社会に関する内容だった。でもそれはそれで非常に興味深くて、教育の方針や、求めれば助けてくれるが基本的に手出しせず見守るタイプ、という国民性について書かれた部分は非常にうらやましく、私にとっては居心地がよさそうだと思った。もちろん良い面ばかりではなく、移民に対する差別が根深いことや戦争の歴史を展示する軍事博物館のテンションが日本の資料館とだいぶ異なっていることなど、いただけない部分にもフォーカスされている。また、子育てのこと、ルーツにかんすること、といった個人的な生活の話もあり、特に「母親をする」の章は読みながら何度も泣きそうになった。誤解でも買ってみて、読み進めてみてよかった。

そういうわけで最近は「生活の練習」を意識しながら家事や、移動、仕事をしている。それだけでも少し気持ちが改まって爽快ではある。

 

月曜日、調布でのライブに出たら不思議な音楽をやるバンドに遭遇して感動した。異国情緒があって幻想的で洗練されていて、メロディがとても美しい。うまく例えられないけれど私がAlt-Jを好きだと思う同じアンテナに引っかかっているような気がする。

そのドラマーがなんとなくハードコアの香りを漂わせていたので打ち上げで話しかけたらJapanese FootballのTシャツを着ており、完全にエモの人だった。すぐに仲良くなった。彼のやっているほかのバンドのメンバーが、私の知り合いやそのまた知り合いだったりもして、コネクティングザドッツみを感じる。そのうちライブハウスでまた会うだろう。しかも近くに住んでいるらしくて嬉しくなった。嬉しくて5杯くらいお酒を飲んでしまい、かなり気持ちよく酔っ払っていた。

 

昨日は通院日で、薬の量を戻して飲み方を改めたら調子が戻ったことを主治医に伝えると「やっぱり、これは○○さんに必要な薬だったんですね!」と言われる。必要なものがずっとわからなくて苦しかっただけで、これからはもう大丈夫ですよと太鼓判を押してもらったような気持ちになる。

 

そういえば、前回の日記で書いたチャイを配る人の正体がわかった。先週木曜日、仕事をしにくさびやに籠もっていたら会うことができたのだ! こうたろうくんという私より4歳下の青年で、社会学や経済学を学んでいるらしい。高松ナンバーのカブにコンロを積んでおり、本格的なチャイを振る舞っていた。河原に人が集まってあたたかい飲み物を飲んでいて、その光景もあたたかい。ターメリックのチャイ、すごく黄色くて、スパイシーで美味しかった。