my lips are sealed

tamavskyのB面

いつもの

いつものように本と音楽と映画の話。

 

渡辺佑基『ペンギンが教えてくれた 物理のはなし』

著者はバイオロギング(生きている動物や鳥に装置をくっつけて行動を観察する)を用いてさまざまな動物の行動、たとえば回遊ルートや潜水時間、移動速度などを調査している研究者で、生物の謎を物理の知識を使って解明していくよーという本。科学、究めると生物学・物理学・化学・数学総当たりになって、哲学にさえ触れてくるのが熱い。この本では生き物たちはどうしてこんな姿をしているの?という疑問がずばずばと解き明かされていくし、その生き物のチョイスがペンギン、サメ、クジラ、アザラシ……と私の好きなものばかりでよけいに楽しく読んだ。今後水族館でバイカルアザラシに出会ったらぜひ、「彼らがこんなに太っているのはなぜかというと……」と受け売りのうんちくを披露したい。

 

服部正也『ルワンダ中央銀行総裁日記』読み始めた。"平価切下げ"が早速わからない状態の私なのでググりながら頑張る。経済にかんして無知すぎる……。支援の顔をした外国人が得をするようにつくられた制度を、同じ外国人であるはずの服部さんが、ルワンダの人たちのために無私の精神でひとつずつ立て直していく。こんなふうに仕事をできる人になりたいと心から思う。

 

SACOYANSの新しいアルバムばかり聴いている。SFって曲、すごくない?「朝が来れば良いことがある」なんて歌詞私だったら一生書けなかったな。朝が来れば良いことがあるなんて、思ったことなかった。本当にそんなことあるの?って、その一節だけで、強い疑い、そんなのは嘘だという反感、それに負けない巨大な希望が宿っていて通勤中にぐすぐす泣いてしまった。本当に天才だな。天才はいつもびっくりすることを言うよな。

 

突然寒くなって体と頭がついていけない。Spotifyで音楽聴いていたら、「いま2001年10月のまんなか/ちょっと肌寒くなってきた季節」なんて歌詞が聞こえてきてびっくりした。良い音楽は20年でも50年でも数世紀でも平気でひとっとび出来るからかっこいい。

 

東京国際映画祭がもうすぐ始まる。チケットも取らないと。気になるまたは絶対観るぞの作品メモ。

アピチャッポン・ウィーラセタクンMEMORIA メモリア』

シン・スウォン 『オマージュ』

ロドリゴ・プラ、ラウラ・サントゥージョ『もうひとりのトム』

ホー・ウィディン『テロライザーズ』←台湾映画だし英題が『恐怖分子』と同じなのでかなり気になるが、よくなかった場合かなりがっかりしそうで怖い。博打だ。

森田芳光家族ゲーム

ジェーン・カンピオンが前述のSFって曲の歌詞に出てきたから、『パワー・オブ・ザ・ドッグ』も観てみたいような気持ち。

ふつうに抽選販売のことを忘れていてウェス・アンダーソンの新作は逃してしまった。ざんねん。