my lips are sealed

tamavskyのB面

雑感を聴きながら、雑感

私ってかっこいいかなあ。

かっこいい人になりたいとずっと思う。かっこよくありたい。かっこいい人を追いかけ続けているからそれだけは強く思う。

もう音楽を作り始めて十年くらい経つ。好きな音楽も変わっていないようで変わった。バンドも、安定してできているからこそかもしれないけれど、休んでもいいときがある、と思うようになった。同じくらいかそれより大切なこともできた。

20歳とかそれくらいの頃、30歳も目前になるとバンドやることについて、どうして続けてるんだろうと思うこともあるよ、というようなことを、前いたバンドのメンバーに言われたことがある。もうすぐ27歳になる私は、どうして、とはまだ思わないけれど、やめていく人の気持ちもようやくわかるようになった。若い頃熱中したことより大切なことや面白いことがあるのは別にダサいことじゃないしかっこ悪いことじゃない。というのが実感を持ってわかるようになった。今のバンドメンバーは、俺を馬鹿にしていたサークルの奴らは全員バンドやめた、と誇らしげに言っている。そういう人たちは今君を見ても「まだバンドやってんの」と馬鹿にするよ多分ね。お互いに心ないと思う。でも私もきっと時間が経たないとわからなかったことで、わかりあえない奴らの溝に私はちょうど挟まっている。

 

きのうジブリアニメ「耳をすませば」を初めて観た。いわゆる聖地に住んでいるのに観たことがなかった。さすがに見たことのある場所がたくさん出てきて面白かった。好きなことに向き合って自分を試すこと、それを回避して、それでもいまいち諦めきれず27歳になって、ちょうどこの街に住んで今更映画を観ているのが可笑しくなった。

 

柴田聡子さんの新曲が本当によくって涙は出ないけど心が泣いている。私は音楽も短歌も仕事も生活も全部がんばりたいと思った。力が抜けながらもめぐってみなぎっている。

雑感、大手町三井ホールでのライブの最後にやった曲で、しみじみとかっこいい曲だった。「あなたなんかにはきっと一生わかるはずない夢です」「私には私しかわからないことがあるんです」という歌詞がやたらと頭に残っていて、なんだかそういうことをずっと思いながらずっと言えないでいた私だなと思っていた。通して聞いてみてもやっぱり歌詞が好きだ。車やバイクに乗れるようになったら私はもっとかっこいい気がする。

他人の曲なのに自分のことばかり考えてしまった。私も聞いた人があ、ここって自分に似てるな思えるような歌詞をかけていたらいいなと思う。書けるようになりたいのではなくて、そうであってほしいなという希望。共感してほしいけどしてほしくない、ほどよく重ねて考えてくれるようなものだったらなんだか嬉しい。友人から、私の短歌を見て「部屋とか自分の殻とかに引きこもっている感じがする」と言われたことがある。そこまでしか言われなかったけど多分私は、引きこもった上で外の様子ばかり窺っているからださいんだよなあと思う。

以前自分の書いた歌詞が、友達の体験した印象的な出来事と偶然シンクロしていたことがあった。ということが発覚したのもほんとうに偶然だったし、実はこういうことって私の観測範囲外でけっこう起こっているのかもしれない。みたことない奇跡を信じているのって宗教みたいだけど、逆に宗教って簡単に信じられるんだなーとほっとする。わかりあいたいと思ったっていいじゃんね。