my lips are sealed

tamavskyのB面

尾道にいる

あけましておめでとうございます。2022年最初の更新はなんと広島は尾道から。

ライターズインレジデンス尾道という、千光寺のふもとのゲストハウス「みはらし亭」に格安で泊まれる企画。Webライターからフォークシンガーまで色々な人が来ている。できれば数週間泊まりたかったが、仕事の時間を減らすということは来月の私が経済的に困窮するということなので、ほどほどにしておいた。が、ちまちまと作業依頼に応えていたら今週月~水、昼過ぎまでは仕事の予定になってしまった。

とはいえ、広島県にはマンボウが出ているからほとんどのお店が開いておらず、仕事が休みでもそれほどすることがない。いや、本当はもっと勉強したり本を読んだり詩や短歌を詠んだりしたいのだけれど。まあそれでも、東京で忙しく働く日々に比べればなんてゆるやかで自由な生活だろう。

茶店めぐりができなかったのが本当に残念だし、大久野島(毒ガス工場があった、現うさぎの島)にも行けなくなってしまったけれど、それなりに楽しく過ごしている。もっと街の人や参加者と交流したい気持ちがあるものの、わりと皆プライベートを大切にしている感じなので、ニャーメンズ(ボードゲーム)を持ってきた私がアホのパリピに感じられている。私は私のことばかり考えている根暗のくせになぜか外向的で、本当はいつも人と話したくて、人と遊びたくてたまらない。自意識過剰の寂しがり屋なんだと思う。

で、それが旅先でこじれているのかこの1週間毎日酒を飲んでいてさすがにちょっとやばいなぁと思い始めた。そもそも強くないので飲みすぎることもないのだが、夜になるとどうしようもなく物足りない気持ちになって酒を飲み始めてしまう。物足りない、というのが寂しさなのか不満なのか怒りなのか、よくわからないけれどとにかく酒を飲んで酔っていればなんとかなる……。

尾道滞在中は毎日欠かさず日記を書いている。ここで公開しないのは言ってしまえば、今年作る本のネタにしたいからだ。しかし、思うように店に入れず、観光もあまりできず、街の活気がいまいち感じられない中で本を作るのは少し苦しいものがある。そういった心もとなさを打ち消すためなのか、毎日とにかく歩き、石段を登り(運動不足にはかなりつらい)、たくさん写真を撮っている。

東京に戻っても郊外に住んでいるので、それほど利便性のない日々が続く。それを考えるとこの街に住んでもよいような気がしてくるけれど、実は家の近くの川が恋しかったりもする。海もいいけれど川もいいぞ。水辺は常にそこにあるものを写していて、流れたり波立ったりして動いているから、見失いがちな生きている感覚や時間の流れを取り戻すことができる。多摩に住んで1年、私の中に川が流れていると気づくことができた。