my lips are sealed

tamavskyのB面

服用初日日記

6月の最後のほうはもう文章を書く気力もなくなっていた。その日をこなすので精一杯。

7/1、2回目の通院で、この2週間の気分の記録を伝えた。概ね気持ちが沈んだ状態で、食欲がわかない。希死念慮に苛まれることもあった。また、日記を読み返してパニック状態になるのは躁状態の前だったことがわかったのでそれも伝えた。

気分が上がっているときの様子も見たいけれど、今苦しいと思うので双極性障害の薬を試してみましょう、もし躁鬱ならバチっとはまると思いますと先生は言って、ビプレッソという薬を飲むことになった。

 

Aちゃんが夜勤の日だったので、夜はゆっくりしようと映画を観た。スパイク・リー監督『アメリカン・ユートピア』。素晴らしかった……。椅子に座りながらも身体が踊ってしまう。デイヴィッド・バーンは60代後半とは思えない身のこなしと伸びやかな声だった。最初の曲から登場する二人のダンサーが本当に凄いことは素人でもわかる。スーツの下の、しなやかで強靭な筋肉がわかる。どんなポーズでも一瞬もブレない。危うさが少しも感じられない完璧な静止!

演奏の人たちも最高にかっこよかった。やっぱり顔と身体も演奏しなきゃ、全身で演奏しなきゃダメだ。

 

薬の服用、食事から2時間あけなければならないことに家に帰ってから気付いた。かなり遅い時間になってからお腹に入れてしまったので、迷ったがとりあえず1時間後に飲み就寝。

 

翌朝起きると途轍もなく眠い。何もかも押し潰す強い眠気。ギリギリで家を出て電車でも眠る。駅のホームで缶コーヒーを買ってそれだけなんとか飲むと、会社に着いた頃には目が覚めてきた。

そこで気持ちがとても楽になっているのに気づく。常に胸の上に重い石が乗っているような感じがない。朝の異常な眠気の中でも身体に鞭打って動けるのは気持ちが前を向いているからだった。集中力も上がり作業の効率がよく、一日が一瞬で過ぎて行った。昨日の夜思い悩んでいたことも、きちんと解決していこうと前向きに捉えられるようになった。そしてとにかくお腹が減って仕方ない。これは太る薬に違いない。暴食しないように頑張りたい。友人が揃いも揃ってやっているあすけん、使ってみようか迷う。すぐ飽きそうな気もするが、薬を飲み続けるなら血糖値には気をつけなければならない。

帰ってからも、いつもすぐに家事に着手できなかったのが今日はてきぱきと進められる。

半夏生なので少し高かったけれどタコを買ってきて、ブロッコリーと一緒にバターで煮て食べた。タコ、久しぶりに食べた。

f:id:ddtmk:20210703005528j:image

洗い物もすぐに済ませたし、コンロの掃除もした。風呂にも入れた。

これが先生のいう「バチっとはまった」状態なのかもしれない。病院を変えて本当に良かった。

今日はしっかりと食事から2時間以上あけて服用。ここまで書いていたらだんだん眠くなってきた気がする。まず眠くなって、あとは元気が出てくるなんて一錠でお得な薬だ。

ストラテラを飲んでいたときを思い出した。あの時はもっと強烈に頭が静まった気がする。吐き気や口渇もひどかった。ビプレッソはそこまでバキバキにキマった感じではないからちょうどいいかもしれない。

生活が楽しいと久しぶりに思えた。自分はまだ頑張れると思えて、嬉しかった。

物心着いた頃から常にうっすらと死にたい気持ちがあった。それが、何か楽しいことをしている時でなくても和らいでいる。いまは死ななくてもいいかな別に、という感じで気持ちが凪いでいる。

 

おやすみなさい。