my lips are sealed

tamavskyのB面

fever

8/1

髪色を青にして1週間でだいぶ抜けてしまった。ドレッサー代わりにしているIKEAのロッカーを漁ったら、2年前に髪を水色にしていた時に使っていたカラーバターがほんのちょっと残っていたので、それでメンテナンスをした。それでもかなり緑っぽい。もっと濃い青、少し紫も入れなければ染めたてのあの色には戻れないらしい。でもまあ、元の色よりは鮮やかになった。ピンクにしていた時は抜けてもピンクベージュを経て金髪に戻るだけなのであまり気にならなかったが、青だと緑色がかったグレーに抜けていくので「抜けた」感じが強く、気になってしまう。面倒な色に染めてしまった……と思うけれど結構気に入っているので、キープを頑張ろうと思う。

 

8/5

病院。14:30の予約なのに、15:40になっても待っている。病院の向かいにある煙草の吸える喫茶店でコーヒーを飲むくらいのことはできたはずだ。iPhoneで小説を読んで待っていたら受付のかわいい女の人に呼ばれて(古川琴音さんに似てた)、担当の先生の診察が混み合っているので別の先生でもよいかと聞かれた。少し残念だけれど肯った。主治医のM先生はとても丁寧に話を聞くし人当たりがよいのできっと問診に時間がかかる、混み合ってしまうのは仕方ない。しかし、病院提携のカウンセリングルームに行けばこの人を1時間独占して話を聞いてもらえるかもしれない、という未確認裏技がある。カウンセラー一覧に同じ苗字の人がいるのだ!鈴木とか高橋とかの歩けば当たるよな姓ではないのでおそらくこの人のはず。

人に話を聞いてもらうことが大変な贅沢であることに、みんな無自覚すぎるのではないかと思う。誰かと会って話しすぎてしまうと、あとから非常に申し訳ないような情けないような、さもないものにお金をたくさん使ってしまったときと似たような気持ちになる。どちらも躁状態の行動だからまあ、同じか。

ところで私と同じように他の医師でよいか打診された、私と連番で呼ばれる患者たちはそれでも待つことを選んだらしく次々M先生に呼ばれて部屋に入っていく。なんだ、いつでも正直者がばかをみる、というくさくさした気分になって、やっぱり本当はM先生に話を聞いてほしかったんだなとわかり恥ずかしい。代わりに通された診察室は院長先生のだった。院長先生は優しいけれど人と話すのがあんまり得意ではなさそうな、目の合わない感じがするおじさんだった。そういう人の気持ちがわからない人からはあまり評価されなさそうだけど、私は特に嫌だとは感じないし、私も目を合わせるのが苦手なので落ち着いて話せた。薬は続投。何度も書きすぎていつまで新鮮に驚いているのかと思われそうだけれど私はちゃんと新鮮に驚いている。薬、ほんとうに、すごい! こんなに楽な気持ちで日々を過ごせるようになるとは思わなかった! きっと覚えていないくらい小さい頃、こんな日々の中に生きていたことがあったんだろう。朝起きるのは辛いし、夜遅くに甘いものを食べられないのも悲しい。けれどもそんなことより、日々笑って過ごせることのほうが重要だ。何度も同じ話をすると、人間が相手なら気まずそうな顔をして嫌われるからやめよう。

 

8/9

ワクチン。昨日の夕方に2回目を受けたらしっかり熱が出て、38℃台からなかなか下がらない。全身のだるさもひどい。日中はぎりぎり、勉強を進められるくらいには元気だったけれど夕方から完全に寝たきり。

体調が悪くて、できることがない状態で布団に転がっていると鬱で仕事を休んでいたときののとを思い出す。

こんなきつい思いをしても、変異株が流行りすぎてあまり意味なさそうで、本当にいつまでこんなことをやっているんだろうと思う。

今日は原爆が長崎に投下された日。6日は広島だった。広島が最初だが、長崎を最後にするかどうかはみなさんにかかっているという、長崎市長のスピーチが印象的だった。ぼかすけれど、仕事で原爆を投下された都市の広報の仕事を手伝っている。新しいホテルや知る人ぞ知るお土産、面白そうな本屋さん、猫がたくさんいるスポット、などなどたくさんの情報を毎日浴びて、早く旅行してみたいとずっと思っている。いつになったら行けるんだろう。

オリンピックが終わったらしい。家にはテレビがないのでリアルタイムで中継を見ることは1秒もなかった。Twitterでは盛り上がっている人もいて、そういった人たちからの情報で、わりと色々な競技、特に新設の競技で日本の選手が活躍したらしいことはなんとなく知った。

努力の結果良い成績を出すことは素晴らしいことだろうけど、やっぱり全然感動できない。ボランティアの人を電車で見るたび嫌な気持ちになっていた。ていうか、日本の選手が活躍することで感動する理由もよくわからない。別に友達でもないし。ただスポーツのめっちゃ上手い人が、めっちゃ上手いことによって日本を代表できるシステムがなんかもう、大きく出たなー!?って感じ。代表はご立派で、メダルとか取るけど、日本という国自体はだいぶボロボロで、ヨボヨボのおじいさんたちがヨボヨボ喋って、ヨボヨボお金をあっちこっちして、恥ずかしいことばかりなのに、そんな日本を代表させられるほうがかわいそうと思ってしまう。

五輪やったこともそうだし、ワクチンが結局足りなくなったことも、東京が医療崩壊したことも、悪い予想はどんどん本当になっていくんだ、と実感できたので、私たちは本当に年金なんか貰えないのだろうなと思った。同性婚もずっとずっとできないんだろう。海外メディアにボコボコに叩かれ、燃え盛る火だるまになるような事件があればもしかしたら、というくらいの希望しか持てない。そんなもの、希望といっていいのかもわからない。

 

オリンピックに熱を上げていた人たちがパラリンピックの話を全然しないことにまた落ち込むんだろう。自国でやるなら視聴率とかじゃなくてちゃんと放送しろよ、認知度上げるためにマスコミが頑張れよと思うのだけれど、まあ、私も観られないので何とも言えない。

 

小田急の電車の中で刺傷事件が起きて、それだけでも怖いのに、女性を狙った犯行であることに抗議するフェミニストたちにアンチが噴き上がっているのも本当に怖い。韓国では女性に対するヘイトクライムが起きたことをきっかけにフェミニズムムーブメントが盛り上がったけれど、日本では、無理だろうな。SNSでもっともらしい意見につけられる「私はフェミニストじゃないけれど、」という謎の枕詞が悲しい。聞いてみたい。あなたはフェミニストじゃないの? じゃあ、女性差別の構造には反対しないの? あなたの思うフェミニストフェミニズムって一体何なの?

ROM専になっている大学教授や小説家らがメンバーの読書会LINEで、わたしよりやや年上くらいと思われる女性が「日本ではフェミニズムに価値を発揮する力がないと思う」と発言していてぶちのめされてしまった。弱者でいるほうが楽な局面が多いからだ、と。それに「フェミニズムを提唱するとお前はどうなんだという視線が付き纏う。フェミニストは例外を除き不美人が多い」という全く意味不明な暴言も投稿された。小林エリコさんの著書を読んで同じように「弱者女性は楽」と言えるか聞いてみたいところ。そのLINEグループで男性の教授が語った、構造批判としてのフェミニズムと、たとえば性的加害の現場には大きな溝があるという問題提起は面白かったのだけれど。

無力感がすごくて、さじを投げたようなポーズをすること自体が、受け入れたようにも見えてしまうからずっと疲弊している。

あ、思い出したから最悪な話する。前いた会社(そこそこ保守的)、コロナ禍でリモートワークなどできるようになったのだろうかとふと気になって元先輩のTwitter(3人特定できたのでリストに入れている)流し読みしていたら、男性の元先輩が「リアルな痴漢の現場を目撃した。めっちゃ触ってるやんこいつって思いながら男の方をずっと見てた」とツイートしていて本当に気分が悪くなった。犯罪が目の前で起こっていてなぜアクションを起こさないのだろう。女の人も大変だなーくらいに思われてるんだろうか、いや、犯罪なんだけどな。その先輩は、飲み会好きの社員が必ず事務の女性社員を「華を添える」みたいなニュアンスで飲み会に呼んでくることに「それはどうかと思うわ」と言っていたはずだ。私の前だったからそういうポーズをしたのだろうか? 会社の男尊女卑は問題視するのに、性犯罪は見逃す。意味がわからなくて本当に気分が悪いし、そんな人が身近にいたことが怖い。

 

女に生まれてよかったこと、高い声が出るから、高い声で歌えることくらいだな。低い声でも歌いたかったけど。

 

あー、熱が38.1〜3℃からさがる気配がない。仕方ないからもう寝よう。